ただ民主党は、この時期にヒラリーだけにしてしまうのは本当に健全だろうか。候補者が乱立する共和党とは対極の意味で、アメリカはアメリカらしくなくなってきた・・。
参考 http://marukano-gb.blogspot.com/2014/12/blog-post_27.html
(民主党はヒラリー人に集中し、もし彼女に何かあったらどうするのだろう)
そして11月、雇用統計で利上げの可能性が復活。FEDのハト派は、ずっとデータ次第といいながら、実態はマーケット次第だった言い訳が必要になる。追い風は保守派へ。
そんななか、先週オハイオでマリファナの合法化が否決された。大統領選で最も重要なオハイオは、まだ保守的だった。この結果は共和党には朗報。
保守派にはQEのような緩和策こそが最大のドラッグ。これ以上金利ゼロのマネーでジャブジャブにされれば、誰も実体経済に貢献するリスクに挑戦しないと彼らは考える。
http://www.economist.com/blogs/graphicdetail/2015/01/daily-chart-11? fsrc=scn%2Ftw%2Fte%2Fbl%2Fed%2Fmappingmarijuana
(FEDのジャブジャブマネーはドッラグではないの?)
ところで、一般的な大統領選の解説は追々するとして、ここではKKK(Ku Klux Klan)とマフィアの関係を触れたい。背景は禁酒法をめぐる彼らの攻防が、現代のマリファナ議論の参考になるからだ。
そもそもKKKもマフィアもどちらも社会悪のイメージ。歴史的に対立してきたこの二つの組織は、二大政党制の利害構図を観る上では、興味深いサンプルでもある。
共和党的価値観を共有するKKKは、もともとは崇高な白人至上主義だった。ところが南北戦争に負けたあたりから(旧南部)リンチなど黒人に対する非合法な活動が目立つようになった。
リンカーンによって施工された人権を主張するとどうなるか。見せしめだった。黒人は仕事を求めて都会へ移動。北部がインダストリアルで発展する中、南部は取り残された。
一旦は沈静化したKKKは、20世紀初頭に復活する。背景は、NYやシカゴへなだれ込んできた新しい移民。ユダヤ人をはじめ、イタリア人 アイリッシュなどのカソリックの急増に対し、WASPたちが危機感を覚えたとされる。
結果、KKKは全米で400万人規模に膨れ上がった。こうなると最早テロ集団ではなく、米国で最大の政治集団になった。(日本原爆を落としたトルーマンはKKK) そして彼らが推し進めたのが、あの禁酒法。だがこの禁酒法が、KKKを逆に追いこむ結果となる。
禁酒法によって生まれたマフィア。マフィアは遅れてアメリカにやってきた2級市民が主役。ここは金融市場の主役と同じであることを以前紹介した。(ユダヤ人 イタリアン アイリッシュ)
参考 http://marukano-gb.blogspot.com/2014/12/blog-post_27.html
カポネも庶民に人気があったが、かっこいいスーツを着て派手にお金を使う。マフィアが主役だった狂乱の1920代、この頃ユダヤ資本の映画会社は、NYからハリウッドへ拠点を移し、リベラル派の応援をすることになる。
イタリアンマフィアは、第二次世界大戦中は民主党政権に協力し、米軍のイタリア上陸を助けた。代わりに国内では当局の目こぼしもあり、勢力を拡大した。(このあたりの民主党政権の相対的国益の判断力、いまだに日本は苦手にしている)
一方マイノリティーでも、新移民よりはアメリカの先輩になる黒人層は、リンカーン後は奴隷を解放した共和党に投票していた。だがウイルソン大統領以降、都会で暮らす黒人は次第に民主党に傾いた。最大の転機はケネディー兄弟。
彼らが民主党を現在の民主党のイメージに変えた。そしてミシシッピーバーニングで有名な黒人の人権を守る活動をしていた3人の若者が殺された事件でFBIが使ったのがマフィア。
FBIの捜査に協力しないミシシッピー州当局に業を煮やしたフーバーは、マフィアにKKKのメンバーを拷問させ、一連の事件の犯人達の連座に成功。これでKKKは完全に下火になった。
しかし現在の構成員を見ると、マフィアが5000人未満であるの対し、KKKは8000人以上。隠れKKKはかなりいるといわれ、先週アノニマスが公開したKKKリストには、3人のFBI現役職員が含まれていた。
http://www.bbc.com/news/technology-34736941
アノニマスの情報を信じるかどうかはともかく、ここ数年の白人警察官と黒人の対立は、アメリカにきて21年で最悪だと思う。人口動態的に完全にマイナーに追い込まれそうなKKKの母体集団が、団結を強めるのは自然だ。
そのあたり、共和党支持者の不満を突いているのがトランプ氏。共和党のイスタブリッシュが彼をなかなか押せえられない理由は根深い。
ただ民主党も、本来民主党ではないバーニーを、民主党候補者として容認するような人材不足の露呈は、アメリカそのものが、大きく変化する可能性を示唆していると思う・・
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