洞爺湖サミットの翌週から、ヨーロッパではフランスを中心に「地中海サミット」が開かれている。サルコジ大統領は日本では退屈そうな表情だった。だが地中海に隣接するアフリカ アラブ ヨーロッパの全首脳を招き、自分が主役の今回は実に活き活きとしている。前から彼は同国の往年の名優、ジャンポールベルモントにそっくりだと思っていたが、会議での彼は政治家と言うよりエンターテイナーの様相だった。
さて、地中海に無関係の英国がなぜこの会議にいるのかともかく、豪華な参加者の顔ぶれから洞爺湖が全く霞んでしまった。その洞爺湖では開催国日本が威信をかけて議題にしようとした案件があった。其の案件とはヘッジファンドや彼等の背景にある流動性についての規制。しかしこの案件に関しては議題に挙げる事を米国が頑なに拒んだ事実が日経新聞や文芸春秋などで取り上げられた。
もともとインフレ対策はサミットの最重要議題だったはずだ。にもかかわらず、最早その原因として誰も疑わない過剰流動性とヘッジファンドについては不問にするという。米国はインフレに鎮火よりもむしろその後の展開に実は興味があるのか。これでは欧州からすれば洞爺湖が全く意味のない会議だった。インフレに対する考えが米国とは違う欧州(サルコジ)が開催国の日本に失望した本当の理由はそこだろう。
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