2008年7月22日火曜日

ノーマンの世界

フロリダがハリケーンシーズンを迎える少し前、先に暴風雨に入ったフロリダのフォークロージャー市場には一つの目玉商品が出た。それは数年前は25Mを超えていた地元の著名デベロッパー自身の自宅だった。そしてCNBCで中継されたこの物件の入札説明会に顔を出していたのがグレッグノーマンである。

CNBCにノーマンが登場するのは珍しい事ではない。ただそれはゴルファーとしてのノーマンではなく、資産500M、また今では珍しくなくなったプロスポーツ選手のジェット機所有者のパイオニアとして、ビジネスで世界を駆けまわる一流企業家としての登場だった。

彼が凄いゴルファーだったとはいえ、53歳にして全英の3日目まで単独トップを走れば周りは大騒ぎだ。そんな中、彼のジンクスであるメジャー最終日の悲劇を念頭に、土曜日米国ABCの記者は「今晩はどういう予定?」と聞いた。

するとノーマンは「会社の社長とのビジネスディナーがある」と答えていた。これには解説を担当していたトムワトソンとポールエージンガーも絶句。そして最終日ジンクスは健在だった。途中、前述の二人はなぜここでドライバーを持つのかと、ノーマンの相変わらずのプレイスタイルに呆れていた・・。

それでも人はノーマンに魅了される。ゴルフクラブを初めて持ったのは今から20年前だが、その時の世界のトップはバレステロスとファルド、そしてノーマンだった。

そして、数々のメジャーの悲劇はともかく、世界ランク1位になったプレイヤーはそれからタイガーまで入れても実は12人しかいない。(ランガー/バレステロス/ノーマン/ファルド/ウースナム/カプルス/プライス/リーマン/エルス/デュバル/BJシン) 期間を比べれば、タイガーの505週をトップに次がノーマンの331週。後は全員が100週以下である。つまり二クラウスの後、世界のゴルフを圧倒したのはタイガーとノーマンである。

ワトソンは、ノーマンを称し「彼はタイガーが出る前のタイガーだった」と言った。今の時代プロゴルファーは大半は大学卒だ。特にワトソンやタイガーからはスタンフォードらしさも感じる。対照的にノーマンは高校からすぐにプロになると、まさに七つの海をまたにかけて獲物をるサメの様な人生を送ってきた。そして今、フロリダの不動産ではトランプ氏でさえ一目置くビジネスを展開しながら53歳にしてあの体躯を維持。

ノーマンは米国のメジャーで8回優勝をし損ねたといわれる。ただその原因となった「積極的すぎる最終日のゲームプラン」は人生のゲームプランにおいては十分ペイオフしている。なぜならこの様なゲームプランは他に誰も持っていない。だからこそ彼は今でも人を魅了する事が出来るのだろう・・。

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