リーマンショック後、騒動を舞台にした映画はすべて見た。"ウォールストリート2" "TOO BIG TO FAIL" "インサイドジョブ" そして"マージンコール" 。ドキュメンタリーのインサイドジョブを除き、秀逸だったのはマージンコールだ。俳優がいい、シナリオもよかった。何より現象より人間をよく描いていた。ただこれを学生が観ると、ウォールストリートに行く気は起きないだろう。彼が目指すのはシリコンバレーのある「西」である。
今週のエコノミストの表紙はフェイスブック。「A fistful of dollars」との見出しだった。「A fistful of dollars」を直訳すれると「握った金」。この場合は「金を握っている奴」がいいだろう。ただそれほど多いイメージではなく、これから7兆円で上場しようかという話にしては少し違和感。そこで何を言いたいのか読んでみた。結論は、今の流動性からすれば、「凄い」というなら、それが巨額になるのも当然と言ったニュアンス。つまり、米国を取り巻くマネー全体が巨額だという話だった。
ところで「Fistful of dollars」といえば、セルジオレオーネが、黒澤明の「用心棒」をリメイクしたイタリア映画の「Per un pugno di dollari」(邦題 荒野の用心棒)を英語にしたものである。 説明すると、南欧あたりで、欧州人監督が、米国人俳優を使って撮った西部劇を(日本では)マカロニウエスタンという。これで有名なった代表がクリントイーストウッドやジュリアーノジェンマ 。ジョンウエイン時代の米国人からすれば、アメリカでやらないアメフトの様なモノだったはず。ところがこの映画は米国でも大ヒットした。タイトルは、イタリア語をそのまま英語にし、「Fistful of dollars」になったということらしい。ただこの作品からはなぜこのタイトルになるのかは違和感だろう。
ダーティーハリーの印象の彼が、監督として深い人間模様が描くのが意外だった。ただアカデミー賞に特別ゲストとして招かれた黒沢に、会場でイーストウッドは、あなたがいなければ今の私はないと言って抱きついたという逸話からすれば彼の作品に黒沢の匂いがしても不思議ではない。いずれにしても、英国エコノミスト誌が、フェイスブック上場を控えたアメリカ市場に「Fistful of dollars」とつけたことは、偶然か、何か意味があるのか、ぜひ聞いてみたい。