2012年2月15日水曜日

若者は西へ向かう (真マネー原理プロから)



ボルカールール(銀行への規制強化ルール)がどうなるか、佳境を迎えている。銀行は必死に抵抗しており、今日はNYタイムスのAラスコーキン(TOO BIG TO FAILの著者)まで銀行の擁護に回っていた。だが、銀行がどう踏ん張ろうとも、時代は「ゴーウエスト」

「ゴーウエスト?」 CNBCは学生にマークザッカーブルグとジェイミーダイモンの写真を見せた。「君の目標は?」学生がジェイミーダイモン(JPモルガン会長)を知っているか疑問だが、全員がマークザッカーブルグと答えた。

リーマンショック後、騒動を舞台にした映画はすべて見た。"ウォールストリート2" "TOO BIG TO FAIL" "インサイドジョブ" そして"マージンコール" 。ドキュメンタリーのインサイドジョブを除き、秀逸だったのはマージンコールだ。俳優がいい、シナリオもよかった。何より現象より人間をよく描いていた。ただこれを学生が観ると、ウォールストリートに行く気は起きないだろう。彼が目指すのはシリコンバレーのある「西」である。

ところで、アメリカと日本の違いを一言で表せば、竜巻とインクロジャー(囲い、enclosure)である。広いアメリカに囲いはない。欲望と夢が渦巻く中心に向かってものすごい磁力で人は引き寄せられる。だが、必死でしがみつかないと吐き出された(過去形)。そして欲望という磁力がある限り、竜巻は形を換えながらも存在し続ける。

一方インクロージャーなのが日本。インクロージャーは、引き寄せる磁力よりも、外敵や他種を入れない事で国家という形を維持する。だが、いつのまにか本能としての生産力は衰えた。ならば政府や国民が何を思うと最早選択肢は一つ。門の開放しかない。

そもそもアメリカは最初の13州でも十分広い国だった。18世紀中旬まで人はそこにとどまっていた。だがカンバーランド渓谷からウエストに抜ける道があると知ると人は「西」に向かった。

ダニエルブーンは誰でも知っている西の開拓者。彼等はインディアンと戦いながら西へ西へと徐々に進んだ。ロッキー山脈を越えて太平洋に出たのは1700年代の後半である。

ジェイミーダイモンは、システムを人質に既得権益を離そうとしないだけという事を若者は感じている。ならば、マネーに執着する素振り見せず、圧倒的な金持ちになるザッカーブルグがかっこよく見えるのは当然だろう。ならば若者は西に向かへ。添付の図が示すように、親と一緒に住むなど、考えてはならぬ・・。