朝方のS&Pに続いて午後にはMOODYSもサブプライム関連の格下げを発表した模様だ。「持ち上げておいて」市場から催促されて格付けを変えるというこのぶざまな事態に対して、格付け機関はいったいどんな説明をするのか。トヨタをダウングレードした際に動じなかったトヨタがいま一番輝いている事に合わせて説明を聞いてみたい。
さてそんな中で一昨日のシカゴトリビューン紙の取組みには目を引いた。まずその紙面を見た時驚いたのは記事の主人公である日本の王監督の写真大きさ。過去これ程大きく日本人個人の写真が大きく掲載された米国の新聞記事を見た事がない。そして見出しは“真のホームランキング”である。
これまで普通の米国人にとって王監督の名前はマイナーであった。一部のオールドファンが知っている程度で、イチローや松坂と比べては比較にならなかった。一昨年日本が勝ったワールドシリーズ直後にも監督だった王監督を少しだけ紹介した記事があったが、今回と比べれば小さな扱いだった。だが今回改めて王監督が取り上げられたのには別の訳があった。それはステロイド問題である。渦中のボンズは今回オールスターに選ばれたが、記事はこれまでの陰湿なボンズへの個人攻撃から、その様な「虚の世界」を造りだした米国社界の風潮への警鐘をリベラル系のシカゴトリビューンが始めて取り組んだモノ(記事)だった。
トリビューン紙はこの記事を書くために態々特派員を日本に派遣し、スポーツ欄とは言え3面全部を使って王監督の自伝と彼の野球に対する厳格な姿勢を紹介している。そして王監督に対しての日本人の尊敬の念と、日本人の価値観全体のまで踏み込んでいる。また、王監督の大記録の事は知っていても、これまでは球場の大きさや日米の野球ルールの違いからバカにしていた米国人ファンにも、ボンズとアーロン、そして現役時代の王監督のAT BATの記録の詳細を客観的に対比する事で誰が一番偉大だったかを印象ずける構図にしていた・・。
結論として記者はアーロンと王監督のどちらが凄いかの断言は避けている。ただ、「元来ホームランは打てる人と打てない人がいる。自分は打てる。私は常にそう考えてきた。」また「ホームランの数ならベーブルースだが、自分の誇りは現役時代も監督としても休まず厳格に野球に取り組んだ事。その意味ではルーゲーリックの方が好きだ・・。」等と言う王監督の言葉を紹介して人間性をも評価している。
そして記者は最後に、今米国では誰が真のホームラン王かで議論になっている。しかし、もしかしたら真のホームランキングは実はこの国はいないかもしれない・・・と結んでいた。
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