CNBCに登場した某ヘッジファンドマネージャーが面白い事を言っていた。「今はFLY TO クオリティーではなく、FLY TOコモデティーの時代である・・。」
これを今風に言うとCOMMODITY=QUALITYの時代になったという事。そしてそれは、恐らく明日のバーナンケへの質問で必ず聞かれるであろうコアからヘッドラインへの変遷の本質である。ただこの傾向が続くとFLY TO QUALTYに慣れた債券投資家は暫くはSHAKE HEADを覚悟しなければならない・・。なぜならこれまで同りFLY TO QUALITYで安全な国債を買っても、ヘッジファンドが同じ理由でCOMMODITYを買うと、インフレになってしまうからだ・・。
さて、世界がフラットになったと言われる中でも金儲けを続けてきた人は続けきた。しかし金儲けには絶対にスプレっドは必要。ではどこにそのスプレッドがあったのか。実はクロスボーダーのスプレッドが減少して世界がフラットになると、今度は元々はフラットだった平地に傾斜が生まれた。言うまでもなくそれは中産階級のCASHフローである。ここには嘗てはなかった資産格差という新たな金儲けのスプレッド(必然の誘因)が生まれていたのである。
資産格差というスプレッドは金持ちには必要である。なぜなら勝組は勝ちを維持するためには永遠に負組を作らなければならない。また其のゲームに引きずり込まなければならない。そしてその本質が地球環境と言うコップの中のゲームである以上、流動性がカードとなる金融市場のゲームでは取引所の存在がより絶対的になった。そん中で恩恵を受けたのはシカゴの二つの先物取引所だ。元来此処にはコモディティーとデリバテイブという二つの金の成る木があったのである。その意味でこの10年のCMEの会員権(株価)の変遷はここ10年の世界の本質の変遷を見ている様だ。CMEは世界のライバルに先駆けて会員組織を株式会社に転換。その後のM&Aの流れでも常に主導権を持っていた。そして本日、そのCMEは長年のライバルでもあり、シカゴ復権の象徴にもなる予定のCBOTの買収を完成させる・・。
ところで権威主義だったCBOTは90年代以降の改革の全てがCMEに比べて遅れていた。結果CMEの後塵を拝したが、ここにきて神風が吹いた。クリーンエネルギーや食糧危機の抜本的解決とは関係ないが、その価格ゲームではCBOTの穀物市場における存在感が再び脚光を浴びたのである。よって勝者のCMEでさえ態度を改め、同胞としてCBOTを迎え入れようとした。ところが其処に突然ブームの中で生まれた新興取引所のICEが札束を掲げて飛び込んできた・・。
あまり知られていないが、実はこの急成長のICE(INTER CONTINETAL EXCHANGE)の後ろにはWSがいる。ICEの大株主はGSとMSである。特にはGSは言うまでもなく、誰よりも早く商品相場という成長産業を押さえ、また華麗な人脈で世界の取引所の代表格であるNYSEの実権とその復権となる多数のM&Aを主導してきた。そのGSの息がかかったICEがCBOTの買収を巡ってCMEにチャレンジしてきたのは、ある意味でシカゴ対WS構図の縮図である。
まあ個人的にはどうでもよい話だ。なぜならこれ程の富のダイナミズムを身近で観察しながら、結局自分で何も出来ていない。偉そうな事をここで書いても批評ばかりでは何にもならない典型的な失敗例・・。だが今度は恥を忍んでこの構図の近未来のリスクを考察したい・・
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