2010年4月7日水曜日

中国産、中国に帰る。

米国と中国は互いにSTAKE HOLDER(利害が一致している状態)。よって定期的に起こる二カ国の間の摩擦は今のところ共に国内政治を安定させるた為の材料にすぎないとの見方がある。さもありなん。だが第3者が絡んでの利害関係では話はそう簡単ではない。元々中国に覇権主義の歴史はないとはいえ、19世紀から20世紀かけての屈辱を一旦は覇権主義で晴らす事は十分あり得る。その要因としてアフリカへの影響やイラン問題。更にアフガニスタンと今後のロシアの巻き返等の国際情勢を注目したいところだ。だがやはり目先は米中関係が全て。ここが盤石なら他の要因が本当の波因になる可能性は低い。そんな中で昨日懸案の貿易摩擦で両国にとって良いニュースがあった。この話とガイトナーの緩和策は無関係。だがこの「魚」はある意味互いにSTAKE HOLDERである米中関係の象徴でもある。その魚はとはこちらで「アジアンカープ」と呼ばれるものだ。

アジアンカープとは日本ではハクレンと呼ばれる淡水魚である。この話は以前にも台頭するアジア(中国)の象徴として幾度か取り上げた。このハクレンは80年代にミシシッピー沿岸のナマズ養殖業者が天敵のザリガニを駆除する為に中国から持ちんだもの。だが92年のハリケーン「アンドリュー」の水害でミシシッピー川に入り込んでしまった。それから10年でアジアンカープはミシシッピー川の最大勢力になった。そしてこのハクレンのミシガン湖へ流入を水際で防いできたのがイリノイ州である。イリノイ州はシカゴ近郊の河川に電気を流すシステムを築き侵入を止めてきたが、それも効かなくなった昨年、周囲と環境保護団体の反対の中で川の一部を完全に堰き止め、その中に毒を流して殲滅を図った。

この様にこのハクレンの駆除にかかった経費はイリノイだけでこれまでに200億円。そして昨年米国政府はミシガン湖の水産資源が州の重要ビジネスになっているウイスコンシンとミシガン州の意向を受け、ハクレンのミシガン湖への流入防止作戦を国家プロジェクトに格上げしていた。ところが両国の協議の結果、急転直下、この厄介者を中国は米国からの新たな輸入品目として正式に認可したのだ。これはまさに鳥の足と同じ効果である。昨年中国産タイヤに米国が関税を掛けた際、中国は米国産鳥肉の禁輸で応戦した。ところが米国産の鳥の足を求め中国内の消費者が反発、理由は豊かになった中国人は痩せた国産の鳥の足より米国人が食べない丸々と太った米国産ブロイラーの足を好んだのだ。

このハクレンも同じである。イリノイ州や地元の漁師はこのハクレンの使い道を探ったものの、骨が多すぎ米国人の食用にはならずこれまで農業用肥料にしていた。ソレを終に中国が高給食品として輸入品目に加えたのだ。「迷惑な中国産、故郷に帰る・・」である。これを一石二鳥と言わず何というのか。この事業を司るイリノイの公社は早速150人の新規雇用を発表したが、この関係は今の米中関係の象徴でもある。



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