2007年6月9日土曜日

マネーと酸素

科学の知識はないのだが、個人的に心配になる事の一つに将来この地球で“M”と“O”の量が逆転してしまうのではないかという思いがある。言うまでもなく、Mはマネー、そしてOは酸素である・・。この話題に絡んで、昨日の出来事からの二つの話題に触れておきたい・・。

昨日決算発表した会社にあのランパートが君臨するシアーズがある。シアーズの株価は現在180ドル。最早シアーズは小売の体はなしていないと指摘したが、やはり小売りとしての売り上げは惨憺たる現状である。それでも株価が下がらないのは、第二のバフェットとして期待されるランパート個人に対する投資家の期待があげられる。

一方で売上金額だけをとれば米国のGDPの3%を1社でたたき出すウォルマート。グローバル経済の最終消費地としての米国消費に支えられ、数年前まではある意味で世界最強の会社だった。しかしマネジメントの内紛から労働争議に対する対処に綻びが発生。会社のイメージが悪化する中で更に悪い事が起きつつある。

その悪い事とは何か。これも以前触れているが同社では原材料から完成品までその70%が中国生まれである。ここにきての中国製品に対する消費者の困惑は、同社の全商品にまで拡がる恐れがある。「安かろう、悪かろう」笑いごとでは済まない。

今地球では昔の様な世界大戦がない。よって消費力がパワーである。そして有り余るお金がそのゲームを囲む。本題に入ると、昨日ブッシュは恥も外聞もなく、ポリシーを変えてしまった。それは地球温暖化への米国の主導権宣言である。これでは地道この問題に取り組んできたゴアは腹が立つだろう。また、京都議定書を承認した国々も本来は米国の身勝手さを怒らなければならない。彼は2012年に期限が来る議定書の「次」において、今度は米国主導で地球温暖化への取り組みするつもりなのである・・。

まじめにこの問題を考えてきた人々にとっては「ブッシュよ、ふざけるな」であろう。強引にイラクへ進攻し、石油の利権にまみれた彼らと共和党がそんな事を言うのは、先週「仮にイラクが望むなら撤退してもいい」などと漏らして歴史的無責任を露呈したい恥の上塗り。

それでも誰も米国を糾弾できない。ドルが基軸である以上、主要国は米国が主導する天下布金政策に迎合しているからだ。そしてこの米国の大転換の先に見えるのはクリーンエネルギーに向けて新たな覇権主義。

中国もインドも議定書を批准していない。米国が豹変して環境保全のリーダーになれば、人口を背景に消費と生産に万進しているはずのインド中国の両国に対してエッジを握れる。また年内に世界最大の石油産出国となるロシアのペトロ経済にも影響を持てるのである。

いずれにしても、ランパート氏等のヘッジファンドはゲームの先取りをし、地球に膨張した資金(M)をつぎ込む。しかし酸素とマネーが逆転した地球環境でいったいどんな人が生きていけるというのか・・。個人的には素朴な疑問が残る。

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