当初あれほどの資金力を誇ったヒラリーは、実は先のCAの予備選挙前には相当に追い込まれていた。彼女は先週の投票日前日、個人で5億円の借金をし、夫のビルは旧知の支持者から20億円の緊急融資を取り付けてスパーチューズデイに臨んでいたのである。
一方本日選挙戦から撤退したロムニーは、報道では80億円の選挙資金を個人の懐から出したという。いくらロムニーが実業家だったとはいえ、80億は大金だ。しかし彼には大統領選挑み、予備選で敗れ去った父親への思いもあったという。それは男のロマン。戦い終わった今日の彼は清々しいいい表情をしていた・・。
逆にヒラリーには悲壮感が漂う。選挙資金のプールを見れば今の自分にどんな風が吹いているかはわかる。彼女自身、「天の声」がオバマである事など解っているだろう。でも、ここまで来て引く事はできない。女の意地だ。
ヒラリーの事は、彼女の生まれた町に住んでいる事もあり、常に注目してきた。当初、周りが騒いでも彼女は大統領選には積極的ではなかった。本来なら彼女が「旬」だったのは4年前だ。ただその時は決心がつかず慎重になった。
そして候補者となったケリーはブッシュに大惨敗。上院では民主党の重鎮ダッシェル院内総務が、共和党の一年生に負るという大失態からも重なった。民主党の歴史的敗北だった。ただ失望中にも一つの変化が生まれていた。それはオバマ上院議員の誕生していたのである。
そこから2年、彼女が大統領選への出馬を決めたのは、前回の中間選挙で民主党が巻き返したからだろう。その時からヒラリー周りには様々な人間が集まりだした。金融界ではまずモルスタ会長のジョンマック氏。ビルクリントンに入り込んだルービンのパターンを狙っていると露骨に言われた。
いずれにしても、有象無象がヒラリーを取り巻き、選挙資金も十分に集まったかにみえた。しかし、オバマは立った。彼にはケニアの血が流れている。アフリカの野生動物の本能的閃きで彼は決断したのか。そして決戦の日、カリフォルニアの予備選では大勢がヒラリーのために無給で働いた。なぜならばここまで来て彼女が負けるなんて想定していなかったからだ。今彼女のサポーター達を支えるのは給金ではない。「女の意地」を支えるそれぞれ意地・・。
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