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二日前のNHKクローズアップ現代で、「新しい日本の価値観とは何か」を問うシリーズをやっていた。埼玉の有名な有機農家の金子さんを中心に、社会と農業が一体となるモデルが紹介されていた。そこで知ったのは、日本では都会から自給自足にあこがれて、農地へ移住する人が増えているということ。まあ世間の荒波や組織のしがらみから逃れるために自給自足にあこがれるなら3日ももたないだろう。それだけ宇宙の市場原理は厳しい。だがそれでもこの新しい風潮は間違っていないとみる。なぜなら、組織社会の安心感は多くの場合、自分で世の中の風を感じる力をそぐからだ。日本は政治を筆頭に今はこの状態。これが変わるためには裾野の変化が必要である。
ところで、JPモルガンのアナリストに「 Hajime Kitano 」という人がいるらしい。今日は、彼の東洋経済への寄稿がこちらで取り上げられている。内容は、欧州は日本のバブル崩壊とは異質のリバースバブルの崩壊が始まったというもの。「KITANO」氏は、日本のバブル末期に登場したQレシオと、現在の「DEBT TO GDP」レシオが、バブル崩壊では同じ役割を果たしているという説をとっているらしい。そして、影響力のあるこちらの株サイトでは、彼のの意見を逆手にとり、今の「DEBT TO GDP」レシオを使う風潮は、日本を崩壊に導いたQレシオと同等に愚かしいことと言っている。
実はこの風はカーターがレーガンに負けたときに吹いた風と同じだ。近々ち来日するはずの現国防長官のパネッタ氏は、下院議員時代のレーガノミックスを振り返り、レーガノミックスは簡単にいえば「ええじゃないか」経済だったと言っている。つまり、減税をし、防衛費を膨らませ、国家財政が大幅赤字になっても、レーガンが「ええじゃないか」語りかけることで国民の自信が復活した。そして彼の強烈な反共産姿勢にビビったゴルバチョフが都合よく登場したことで、「日本を除く」西側経済は90年代の繁栄がはじまったということである。(冷戦勝利の褒美)
そういえば、テレビでみる反ウォール街デモには、欧州と米国で若干違いがある。米国は若者が中心。それに比べ欧州は中高年も参加している模様。では70年代に似たような反戦、反大資本、そして薬とセックスと音楽に浸かったこの国のベービーブーマーが、今の彼らの子供達がやっている反ウォール街のデモになぜ加わらないのか。理由は明白だ。最大の理由は、レーガンによって彼らがその後のいい時代を知ってしまったからである。
大統領選挙もあり、おそらく来年は世界中の先進国でレーガンの亡霊が復活するだろう。つまりマルクス対レーガン。戦いが拮抗すれば、相場は今のような状態が続く。しかしレーガンがマルクスに勝つと、その時は債券はアウト。そして株は一旦復活しても、レーガンに対する今のオブセションが空気注射だったことを知った時に株もアウトとなろう。その時に日本は独自の価値観で生き残っていてほしいものだが、一時番大事なことは、日本はすでに生き残ったかもしれないということに自信を持つこと。そうすれば、これからレーガン以前の冬の時代に戻るかもしれない彼らの誘い水にむざむざ乗ることもないだろう・・。
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