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(アマゾン会長ぺゾス氏)
国家と企業の盛衰を見て感じた。企業にしても、国家にしても、自分が愛していれば最後はモラルが働く。カダフィーはリビアを私物化した。だが彼はリビアを壊すつもりなかった。なぜなら彼はリビアを愛していたからだ。一方企業は、Sジョブズや孫氏、柳井氏が会社を愛している(た)のは明白。彼らの愛はしばし凡人には野望と映る。ただそれはカダフィーの野望とあまり変わらない話だ。では今のオリンパス社はどうか。
同社の創業は古い。創業者は経営の山下さん、技術の寺田さんの二人。高千穂製作所会と言った。二人は「高千穂」を、ギリシャ神話で神々が住む「オリンポス」から取ったという。このことからも1919年設立のこの会社がどんな精神の会社だったかが判る。恐らくその精神が礎となり、技術を生み、会社はここまで続いた。ならば今のオリンパスの経営陣は、一体どんな人たちだろう。
株主や役員に創業者の姓の名前はない。経営者は技術者なのか。自分の技術が会社を支えたなら、きっと会社を愛している。昨日のニューヨークタイムスはオリンパスに問題のM&Aを持ちかけた二人の日本人の詳細を掲載している。記事からはバリバリだった頃の本人を知っていたとは思えないが、ドレクスラー(倒産したドレクセルバーナムランベール)にいたことで、出所したミルケン氏(映画ウォールストリートのモデルのマイケルミルケン)を盛んに商売に使っていたことがうかがえる。(その後、野村やメリルを転々)
この辺りから彼らのイメージできるが、いずれにしても、DEAL終了と同時にケイマンをたたんでいることから、合法・非合法は別として周到に準備されたDEALだった事は確かだ。記事からは、FBIは米国の彼らの居所をつかんでいるようだが日本で立件できるかは未定だ。それよりもこれが経営判断の話か、あるいは意図した「事件」なのかは、まずはオリンパス関係者の会社への愛で試されるということだ。愛なら、野望が過ぎたということもあり得る。
そんな中、米国ではアマゾンの決算が市場の失望を誘っている。だがCNBCを10年観て、ぺゾス会長の会社への愛に疑問の余地はない。無論アマゾンが永遠かどうかは別だが、この会社(株)には経営者の愛がある。ならば「売り」ではない。
10月の初め、ハイテク企業のインサイダー陣が会社の株を買い戻しているのを見て、どんなガイダンスを出そうとしているかイメージがあった。今その通りになっている。だがこの中には「愛のない決算」も多いだろう。それはエンロンのなどにつながった2003年の不祥事からも想像できる。
最後に、数字しか見ない人々。値動きしか見えない人は、本当のリスクは何か、そろそろ考えるべき時期が来ている。これもマネーの魔力である。それは国家も同じ。日本には一億のアメリカ論があるが、小世界アメリカで、国民が自分しか考えなくなったアメリカを想像できる人はどれだけいるのか
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