2015年2月17日火曜日

学問の葛藤と(広島)カープ宣言

          
                                黒田を造ったのは「体罰」というタイトルの記事

 http://www.nytimes.com/2012/07/06/sports/baseball/in-japan-yankees-hiroki-kuroda-was-molded-by-pain.html

                                                   
               会見する黒田のオーラ

アメリカに憧れ、アメリカに挑戦し、そしてボロボロになって日本に帰る・・
お決まりのパターンを破ったスポーツ選手がついに出た。アメリカで暮らす日本人として、素直にこの瞬間を喜びたい。いろんな分野で第二第三の黒田が出れば、日本の未来は明るいはずだ。

黒田は爆発的な記録を残したわけではない。でもヤンキースが彼を評価したのは ヤンキースが成熟したチームで、黒田が大人だったからだ。その点で彼はアメリカでも一流だったと思う。

その黒田が一番アメリカを驚かしたのは、ヤンキース1年目のNYタイムスの特集ではないか。(添付)記事で、控えだった高校時代、信じがたい体罰に絶えた経験が紹介されていた。黒田はその経験は、今の自分を造った貴重な経験だったと語っている。(ここがポイント)

話題は変わるが、今年の大河ドラマも低調な滑り出しらしい。正月番組の構成、年末紅白の出場歌手の顔ぶれをみれば、何をやっても時代劇の大河の視聴率が上がらないのは明らか。それはそれでよく、個人的には、ドラマとしてその時代の重要な本質が出ていれば評価したい。

だから、NHKは視聴率のために無理な演出をするのではなく、せっかく吉田松陰を取り上げたなら、ぜひこの時代の学問のスタンダードの変遷とその役割を、視聴者に訴えてほしい。

江戸時代という世界史上も稀な平和の時代、基礎となったのは、上下関係や組織を安定させる儒学だった。一方グローバルスタンダードとしての蘭学を片隅に置いたのは日本人の妙。そして外部からの刺激で、時代に限界が来たとき、改革の支柱となった国学・・。

つまり安定には儒学が重要。グロバールスタンダードが押し寄せれば当然洋学(蘭学)。ただし時代の末期、混乱の中で独立を守りながら改革を達成するには、確固とした国学の復活が必要だったいう事実。竜馬や会津はやったばかり、今年の大河はここが出せるかに注目している。

そんななか、政治でも小泉政権と安倍政権はここまで似たようなパス。ただ今の国際情勢から、安倍政権には小泉政権より強い国学の要素を期待している。(コレで右翼と呼ぶなら呼べばいい)

小泉政権ではグローバルスタンダードを学んだ人が実験を握った。金融では外資を経験した人が、日本のシステムを変えようとした。でも本当に日本の国益のためだったのか、自分の利益のためだったのか、いまだにはっきりしない。

あの時はそれでもよかったが、本来もし本当に実力があれば、本場アメリカで活躍し、日本人の能力を知らしめるべき。ソレをせず、或いはソレが出来ず、日本に帰って日本を変えようとするなら、黒田とは少し違う。

黒田は体罰を肯定してはいない。でも彼のタフさはアメリカでも評価された。そして今、アメリカの優れたところも学んだ黒田が広島に与える効果は、儒学 蘭学 国学の葛藤のなか、日本の未来を切り開いた松陰の弟子たちと同じものになるかどうか。今年は広島カープのファンになって眺めてみたい。(ただ黒田はそんなには勝てないはず、日本の打者は粘る・・)

<<ご連絡>
本日のマネー原理プロ「マッサンが語る重要性」は、性質上ブログには載せませんが、メディア関係者や相場をやる上で、非常に重要な内容です。内容や表現が一般向けでないため、通常有料ブログの宣伝はめったにしません。ただしこの時代、この記事は試す価値はあると考えています。

0 件のコメント: