2015年2月9日月曜日

茶の間のロレンス





この話題は一旦止めてもいいのだが、朝のNHKニュースで気になったので触れておく。番組ではISIS空爆参加国が紹介された。そして日本の今後の対処について解説が続いた。そこで紹介されたのが添付の国家の内訳。これらの国は、現在「イスラム国」の空爆に参加しているという内容だった。

間違ってはいない。少なくとも前回ここで触れた「海外ネットワーク」ような大間違いではない。しかしその解説では非常に重要なポイントが抜けている。これらの国は、現在のイラクに対する空爆に参加している国であり、肝心なシリア空爆には、バーレン ヨルダン サウジ UAE以外は参加していない。(イギリスもシリアへの空爆は参加していないことは重要)

一口で「イスラム国」と相変わらず呼んでいるが、シリアとイラクでは各国の思惑が違う。ここを抑えないと、これから日本がどういう協力をするかという点において、テレビのニュースを見ているだけでは、日本国民は重要な事を知らないまま、政府に誘導されることになる。(というか、軍事に無関係な日本政府がどこまで意識しているか正直疑問)

現在までシリアの空爆の85%は、米軍の手で直接行われている。これは米国メディアが認めている。イラクの空爆のみ参加している欧州連合は、表向き国連決議が無いという理由でシリア空爆には参加していないところが多い。だが本当はもっと複雑だろう。(例えばその後をにらんでロシアやイランとの関係)

一方アラブ諸国も、UAEには今も躊躇が見えるが、バーレーンとサウジ、さらに人質が殺されるまでのヨルダンも、実際は僅かしか空爆に参加していないなら、仕方なく米国に協力していたという心情が窺われる。ここも非常に重要だと思う。

米国で読める様々なニュースから、ある程度今の米国の考える筋書きは予想できるか、オバマ政権後がわからないだけにまだここで書くような確証はない。しかしハシーム家として本来アラブの盟主でもおかしくないヨルダンの国王が、人質が殺されてから反ISISで象徴的な存在になっているのは重要だと思う。

なにはともあれ、ここまで中東が茶の間に入ってきたなら「アラビアのロレンス」ぐらいは、観た方がいいかもしれない・・
         
           

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