2007年8月16日木曜日

動物生態学から学ぶ。8・14の市況から

株は秋までに高値更新のチャンスはある・・。だがそのための絶対条件が経済の本質とはかけ離れたこの政府の力技である事は何度も主張してきた。その立場を取る人間にとって今回のカールローブの辞任はどう映るか。いずれにしても自分が考えているよりこの政権の末路は酷いものになる可能性ある。その場合はこの政権によってここまで来た株式市場も一蓮托生を覚悟するのが道理かもしれない・・。

ところでこのカールローブ氏 の事を数年前に「米国のラスプーチン」としてコメントした事がある。そんな中、日本でラスプーチンと言われた佐藤優氏の作品を最近立て続きに読み崩した。びっくりしたのはまずその数の多さ。この2年間に12冊も書いている。まだ半数だが、ソ連とその関連の専門家としての知識に驚嘆する一方で、時より発見する米国に対する記述のインパクトの弱さとのアンバランスには困惑する。この出版ペースの多さは、裁判では敗訴が続く氏の苦悩に、彼の知識と筆力に驚いた出版社が挙って便乗している感は否めない。だが出版社に限らず多くの著名人が田中真紀子/鈴木宗男騒動で悪役にされた彼を掌を返した様に支援している現状は、まるで動物生態学の本質そのものである。いずれにしても氏の本は今後も普通の日本人にはかなりインパクトが予想される。ただ願わくは氏には爆発的に拡大する可能性があるその影響力を上手く日本の国益の為に使って貰いたい。なぜならそもそも米国が専門でない佐藤氏が世界全体の事にコメントするのは自ずと限界があるはず。だが氏の宗教と至宝の「マルクス経済学」への古典知識に、普通の人からすれば目から鱗のようなインテリジェンスの裏話を融合すれば、世界全体の話においても素人をも翻弄する事は可能。でもそれでは彼はカールローブどころか本当にラスプーチンになってしまう。

そういえば、動物生態学の古典「ソロモンの指輪」では食物連鎖の頂点に立つ猛獣と、ハトやシカの様な食べられる側の行動パターンの違いが興味深い。狼は戦いに一旦決着が付くと、負けた狼は態と急所の首を勝者に晒す。そして勝者はそのシグナルを確認すると攻撃を止める。逆にそんなコントロールがないのが愛らしいハトやシカといった弱者。この種の動物は一旦けんかになると相手が死んでも、死体がバラバラになってもまだ攻撃を止めないとの事。これは、本来「殺される事を前提」に世の中に存在している生き物は、食物連鎖の頂点である殺す側、肉食獣に備わっている殺す事の意味とやり過ぎのリスク感覚が無い事を意味する。相場の世界でも最後に勝ち残る人はどこかにこの肉食獣の様なリスク感覚があるが、佐藤氏はその著書の中でKGBなどの特殊機関の策謀も「動物生態学」を基本にする事が多いと紹介していた。

そしてカールローブ氏などの軍師が去るタイミングは、庶民に対して機能したはずの戦略の歪が露見する時と大体は同じ。通常はその策謀が暴露される前に軍師やKGB等の特殊な人は歴史では抹殺される事が多い。なぜなら恐らくその隠された事実はハトやシカの様な庶民には制御不能だからだろう。相場も然り。SPOILされた参加者のDNAは時に事実に対して想像以上に暴力的になる。よって、明日と明後日株式市場がパニックになれば、TYUは10925を試すだろう。だが、ダウが200日が割れ、指摘している様に其処でFEDが利下げでもすれば極端な反動が来る。其れも動物生態学の話である。

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