2007年8月31日金曜日

世界を席捲する二つの毒(不良品)

NY TIMESによれば、米国の サブプライム商品で傷ついた外国の投資家を代表して、ドイツ政府の経済諮問アドバイザー兼大学教授のボフィンジャー氏は、米国と米国の金融商品を統括するSECやFEDといった管轄当局に意見の申し入れをしているとの事である。

確かに米国当局の職務能力の信頼性へ疑問は、其の商品構成もさることながら、格付け機関の無能を放置した事実から反論の余地はない。そんな中でボフィンジャー氏が改めて主張する様に、自身のFUNDINGを外国に頼っている米国としては、今後この圧力にどう反論するのか。国内の組成商品への海外投資家によるスクリーニングといった屈辱は、本当に実現すればこれまで一方的に米国から圧力が流れてきた歴史の大転換である。

しかしCNBCを見ている限り、この様な面白いNEWSは全く流さず、相変わらず米国が強気を維持する為に必要な材料だけを探すだけの偏った構成。だが外国からの干渉など全く予想しなかったはずの米国はどう反応するのか。恐らく市場の題材にはならないが中央銀行マンが集まるジャクソンホールの水面下でこの様な話題が出るに違いない。

いずれにしても、興味深いのは中国の動向だ。ご存知の通り今世界はアンチMADE IN CHINAの大合唱。そして、成長優先、利益優先で中国当局の管理機能が全く働かなかった責任を追及する急先鋒が米国議会と恐らくは次期政権の民主党である。

しかし、成長優先、利益優先で全く管轄当局が機能せずにサブプライムという毒(不良品)を世界に撒き散らした点で米国は中国と何が違うのか。中国はいずれこのレトリックを必ず切ってくるはず。いずれにしても中国製品を買うか。米国の金融商品を買うかどうかは最終的に世界の消費者と投資家の自己責任。

結局、世界はこの二つの毒(不良品)がなければ既に回っていかないレベルにあるのではないか。この現実の妥協点を巡る駆け引きが、大統領選挙を睨みながら世界のパワーゲームとしてこれから繰り広げられるのは面白そうだ。

ただ米国の優位性は続くもののあまりにも反省がないと危ない。逆に反省が過ぎて急に鬱になられても困る。そして一番困るのは朝青龍のように開き直られる事かもしれないが・・

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