2007年8月4日土曜日

嘘とVOLAの関係

NFLの有名選手から、志願してアフガニスタンの前線に散ったP.TILMANの死体には、額に正面から撃たれた3発の傷があったという・・。

この稀代のヒーローの不可思議な死をどう説明したらよいのか。その時のブッシュ政権は困ったはずである。そんな中一昨日、民主党が仕切る議会にてこの事件の意図的情報操作の可能性を追及されたのはあのラムズフェルド。彼は顔を赤らめながら、情報伝達のミスは認めたものの、あくまでも意図的な情報操作と事実隠蔽は認めなかっ・。

有名な英語の表現に「you cannot handle the truth ]と言う表現がある。これはジャック二コルソンがトムクルーズと競演した海軍を題材にした映画で、清濁を併せ呑み、時には犯罪になる事実の隠匿を強行しても全体の統括を重んじた長官のジャック二コルソンが、自分を裁く裁判で聴衆をこの台詞で恫喝する場面が最も有名。恐らく、その時のラムズフェルドには同じ思いがあった。

それはそうと、今日の雇用統計の結果には少し驚いている。なぜなら現状の景気下振れリスクの中、今こそ国民をあのイラク戦争でさえ正当化に導いた政権の演出力が再び必要されるはずなのだが、にも拘らず、悪い数字をそのまま出してしまうあたりはこの政権らしくない。これは、政権が今後の展開に十分自信があるのか、或はこの政権さえもいよいよ機能不能なのかよくわからない。

ところで、先進民主義国家では国民は表面的にマスコミを通じて真実の大半を知っていると思っている。だがそんな事はありえない。前述の英語表現ではないが、感情的な一般大衆が真実などを知ったら混乱を招くだけ。そもそも法治国家の法律もただの文字である。その文字の意味するところ、即ち解釈をどうスタンダードとして構築されるかで法治国家も独裁的にもまた共産的にもなれるのである。

そしてその時に重要なのは弁護士の演出力とメディア。だがソロスが指摘するように、弁護士とメディアにとって重要なのは真実ではないのかもしれない。そんな現象を心配してか、少し前のWSJに共和党親派の大学教授の調査が掲載された。

この米国でも社会主義的発想の芽がある事に驚いたが、調査は普通の米国人に「貴方の年収が$30000で、8割の社員の年収が同等の会社と、貴方の年収は$35000だが8割の社員が$40000以上を稼ぐ会社とどちらで働きたいかという質問をすると、6割以上の人が前者と答えたという・・。」

教授はこの結果が語る将来のリスクを示唆、民主党が掲げる増税と金持パージの政策が大衆の感情面と相まって経済にどんな悪影響を齎すか警告している。クレジット市場然り、いずれにしても嘘が嘘としてバレ始める時、世の中のVOLAは上昇し、流動性は心地よいバッファーから災いへと変貌する。

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