2007年8月8日水曜日

WAKE UP CALL

先週末のNYTIMESの特集は、現在中国のWEB社会で起こっているといわれる現象の解説だった。そしてその内容は、WEBでは当局が其の膨大な外貨準備基金の一部をBLACK STONE株に投資した結果、早々に損が出た事を国民が嘆き、「中国人の血と汗の結晶である外貨準備金をもっと有効に使え・・」との激文が飛び交っているという事。いずれにしても僅か3Bの投資が損した程度でこの激情になると言う事は、一部で噂されている中国がサブプライムを大量に買っているとの話が本当だとすると、今の情報開示が前提の時代につい中国の政情不安までの余計な心配をしてしまう・・。

さてこの仕事について20年が経つが、今日ほど日本が哀れだった日はない。理由は読売新聞のWebに掲載された自民党の中川幹事長の言葉とされる「選挙に負けたのは日銀のせい」と言うコメント。なぜならこの様な人が幹事長をやっている政党をいつまでも第一党にしておくのは国民自身の選択の結果だからである。

そもそも日本個人の金融資産は1500兆円とも言われて久しい。にも拘らず、この金融資産の有効活用の方策も全く考えず、いたずらに米国の言う事だけを聞いて市場の米国型化だけに専念、後は円安頼みの景気刺激策しか出せなかったのはあまりにもステロタイプすぎた。

そういえば最近何かの雑誌記事で堺屋太一氏が「この金融資産をベースに金利があと2%あればいったいどれだけの利子所得が生まれたか」と述べている。確かに想定される年間30兆円の新たなる富は、90年代に乱発した総合経済対策の数回分になる。ではなぜ堺屋氏は政府の要職にあった時にこんな単純な事が実行できなかったのか。答えは簡単で米国がソレを望んでいないからだ。たとえ堺屋氏といえども自民党の政権の中では実行できない。ここが哀れだという事である・・。

一方、日本と全く逆で、SAVINGレートが「負」というこの国では、いつでも必要な時に日本の資金が使える状況にしておかなければならない。米国民は資産インフレを謳歌する一方、其の政策に必要な流動性はせっせと日本が供給している。

米国が衰退の危機に直面した今こそ、結果として実は日本自身が大変な危機だと感じている人は中川幹事長の発言をどう感じているのだろう。そんな中で旧知の証券マンから面白い話を聞いた。今の収益の主力は為替ヘッジをしていない投信だという。この商品は、現地での成長がそのまま享受できる一方、一旦円高が始まる場合のヘッジやUNWINDのリスクは最早想像不可能のレベルだという・・。

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