2007年8月11日土曜日

慢性糖尿病国家

米国での日本語放送JAPANTVでは、シカゴ時間の朝5時半からNHKBSの株式ニュースを流す。びっくりしたのは昨日の朝の内容。こちらからすればローカルニュースでしかないその番組の中でさえ来週の「15日」の事を重要日としてREMAINDしていた・・。ただこれではっきりしたのはこの局面での米株売りピークは恐らく15日前か、(月曜が危ない)或はそれが過ぎ去って油断したところを襲ってくるだろうと言う事・・。

さて、今回のFEDの流動性供給を「緊急輸血」に例える人がいるが、個人的にはそのイメージはない。「緊急輸血から金利の緊急緩和へ・・」これがパニック時の常套手段である事に変わりはないが、そもそも今回は健康な人が突然の事故で出血しているのではない。寧ろ、長すぎた甘い環境にスポイルされた市場PLAYERが大騒ぎする一方で、その本質は米国人の体型が象徴する「糖尿病」が経済に波及した様なものと考えた方が好い。そもそも米国では遺伝も含めた糖尿病は国家的大問題である。医学的臨床説明は専門家に譲るとしても、その多くは「飽食の飢餓」の別名が示す通り、栄養の取り過ぎによって本来の機能が麻痺し、逆に栄養がとれなくなる状態と認識している。そして今回の混乱の根本も流動性過多が原因のサブプライムが結果的に流動性の枯渇を呼び込んでいるのであり、そもそも金利水準の問題ではないのである。

そんな訳で昨日からの中央銀行による処置は、緊急出血に対応した輸血というより、糖尿病の患者が持ち歩いている飴玉かインスリン注射の様なイメージである。従って今後の展開はFEDと言う医者が糖尿病患者の市場にどういう治療をするか次第である。ただ9月のFF先物が織り込んでいる様に、今のPLAYERがそこまでスポイルされているなら、FEDは一旦ソレを実行するのも一考。だが利下げが糖尿病の解決にはならない事はFEDが一番認識しているはず。従ってここからのトレードの妙味はスポイルされた患者の悲鳴と医者の処方箋のズレを狙う事である。即ちFF先物かEDのPUTを買う事が個人的には最も有効とみる。また今の株式市場は大騒ぎするか、或は鬱病になっても一旦落ち着くとコロッと元気になる特徴がある。従って仮に緊急利下げがあった場合の大はしゃぎにそなえてTBONDのPUTでも仕込むべきだろう。いずれにしてもダウはまだ200日さえ試していない。次の処方箋はそこでの攻防の後にはっきりするだろう・・。

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