2008年10月8日水曜日

<今日の視点>荒涼とした空虚

レギュラーシリーズンが終わり、102年ぶりにカブスとホワイトソックスが揃ってプレーオフに出る事が決まった時のシカゴの沸き立ちを想像してほしい。金融不安は誰にも明らかだったが最早そんな暗い話はどうでもよく、シカゴ人の期待はカブスとソックスの夢のワールドシリーズ。そしてあまりの激戦で欧州サッカーの様な観客の暴動の危機?などと全くいらぬ心配をしたのは私だけではなかったはずだ。しかし早々とその夢から覚めてみると、現実の世界は荒涼とした灰色の金融不安の真っただ中。これが今日のシカゴの雰囲気である。

そういえば、カブスもソックスもバブルで貰い過ぎていたベテラン勢は全くダメだった。その点岩村率いるデビルレイズの活きの良かったこと。若い選手が多いデビルレイズには高給取りはいない。逆に、恐らく株がここまで下がると今までバブルの恩恵を受けたスポーツ選手達にもさすがに自己資産の目減りが肌で感じられるのだろう。金満のシカゴの選手は元気がなかった。元気がないというよりどこか空虚感が漂っていた。負けても空虚。そこが500ドル下がっても空虚な今日の株式市場と似ていた。

さてバブル崩壊の意味は人それぞれだが、私にとっては90年代前半に起こったNIKKEI先物に対する米系の裁定売り(途中から野村)とどう対処するかだった。その意味ではこの下落を続ける米株も比較的冷静にみているつもりだ。しかし今日のダウの下げ方と下げ幅、そしてチャートポイントで攻防の様をすべて総合して次のシナリオを描こうとしても、この状況は今までにない全く新しいパターンである。

相場には先物によるリズム感はある。だが空売り規制のためか実弾がない。よって参加者は値動きが予想できても実際の売り買いでは掴めない。その間ダウの水準は淡々と下がる。恐らくこれが流動性の収縮過程での下げ相場なのだろう。こうなると空売りの代わりにこの2週間で20%増加したミニS&Pの縦玉増加のペースで反転のタイミングを計るしかない。ただ これも過去のデータがない。あるのは荒涼とした空虚感である・・。

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