2011年9月7日水曜日

特別号 昔アメリカと呼ばれた国 (真マネー原理プロから)

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ピューリッザー賞は誰でも知っている。調べると過去その賞を3回以上受賞した人は6人いた。コロンビア大学が主催するので全員アメリカ人なのは敢えて不問。また複数回受賞している人のほとんどは「怒りの葡萄」のスタインベックなど、ノンフィクション系の人ではなく戦前の詩人や作家である。そんな中、外交論文でこの賞を3回受賞したのが現役ジャーナリストのトマス フリードマンだ。

この事実からも、現代の米国のジャーナリズムでいかに彼が突出した存在であるかが判る。彼の代表作の一つ、「フラット化した世界」は7年前GSが顧客に紹介したの受けてここの読者にも紹介した。その彼の最新作が出た。タイトルは「THAT USED TO BE US 」 敢えて日本語で言うなら、USをU.S.と意訳して「昔アメリカと呼ばれた国」が良いだろう。

下に添付したNYTの紹介文にはこんな記載がある、As we were writing this book,” Friedman and Mandelbaum explain, “we found that when we shared the title with people, they would often nod ruefully and ask: ‘But does it have a happy ending?’ Our answer is that we can write a happy ending, but it is up to the country—to all of us—to determine whether it is fiction or nonfiction. We need to study harder, save more, spend less, invest wisely, and get back to the formula that made us successful as a country in every previous historical turn

英字部分は、多くの知識階級の米国人は米国がおかれた状況を判っている。だがどこか他人ごとで、ハッピーエンド以外のシナリオに興味を持たなくなった事への強烈な危機感。よって本は敢えてハッピーエンドを確約していないことが興味深い。そしてフリードマンはユダヤ人ながらミネソタ育ちのためか、建国の父の保守的スピリッツを強く意識している。つまりはこの本は以前エコノミスト誌も警鐘していた米国の課題、学校科目としても世界史の授業の中でさらっと流すだけになった自国史への回帰の重要性である事がうかがえる。

個人的には、建国の父のスピリッツが生きていた頃のアメリカと、つまり日本が戦争に負けた頃のアメリカと今のアメリカの違いが米債のホルダーとしての日本の隠されたリスクである事を再三訴えてきた。無論そんな話は明日の値動きには役に立たない。だがこの本は、中途半端な日本人が書いた米国衰退論や、米国の陰謀説で売名行為をしている連中の本とは一線を画する事になるだろう。よってブルーンバーグの世界の情報に浸る人も、最後生き残るために、書店に翻訳本が並ぶ前に原文を読む事を勧める・・。


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