2012年4月28日土曜日

大河ドラマ「平清盛」が不振な理由



ゴールデンウィークが始まるが、日本がゴールデンウィークになると、相場は荒れる印象がある。今回はどうだろう。いつもの「株の5月売り」をそのままされては困るオバマ政権が何をするかに注目している。

ところで、今年の大河ドラマ「平清盛」は不調らしい。だが個人的には気に入っている。この時代はイメージが湧かず、若い女性には人気がないだけなのだろう。

米国に住む自分にとって、日本が西洋の影響を受けた明治以降は飽きた。むしろ大河ドラマにはそろそろ日本が中国を向いていた頃を取り上げてほしいと思っていた。

清盛の時代は武士の流儀が固まってきた時代。中国から先端技術を教わりながら、独自のサムライ文化が始まった。正式な「切腹」は、清盛のライバルの源義朝の弟が開祖ともいわれる。

今年の大河は本来そんなふうに観ると面白いのだ。清盛の頃、世界の都は中国だった。ざっと振り返っても、日本はその中国から1000年モノを教わった。

明治維新では欧州から50年。そして戦争が終わり、今はアメリカから70年教わっている最中だ。しかし1000年、50年 70年。この年月の差は歴然。石原都知事の行動には賛成だが、一方で日本は中国にもう少し敬意を払う必要を感じる。

恐らく歴史的にそこまで世話になった隣国へのリスペクトが、今の日本人に欠けていることを中国人は感じているはず。だから経済の表面で仲良くしても、何かあるとすぐ中国は日本に対し威圧的になる。

そんな中、知識のないアメリカ人は、中国=共産主義と思っているが、もしかしたら我々日本人も、中国を自分の経験の中だけで判断しているのではないか。

そもそも中国4000年の歴史で、直近の60年だけで彼等のDNAを考えるのも変な話だ。寧ろ今の日本やそう遠くない未来のアメリカが、社会主義を当前のように受けて入れているかもしれない。

ただ今の日本にはアメリカが最重要。それは仕方がない。だがいい加減、これだけ世話になった隣国に対し、欧米と一緒になって日本まで「新興国」呼ばわりするのはあまりにも外交センスがない。

中国が自らを新興国と呼ぶのは戦略的な意図だ。ならばNHKよ、もし平清盛の視聴率が心配なら、すくなくともNHKは中国を「新興国と呼ばない」宣言をすればよい。

NHKが敢えてそんな変化を見せれば中国人民は喜ぶだろう。そしてそんな事にアメリカが口を挟む余地はない。

2012年4月27日金曜日

日本の相対性 <真マネー原理プロから>


小沢氏が無罪になった。裁判官は、原告の主張を殆ど認めながら、判決を無罪にした点が面白い。

以前ここで「4億円の経済大国」を書いた。読者から反響があった。米国では選挙を通し、結果的に金で権力を買うことは違法ではない。その金額はビリオンダラー単位だ。

ならば小沢氏を追い詰めるにしても、日本のGDPからして、4億円ではあまりにも空しいというのが根拠だった。

いずれにしても、検察側の主張を認めながら判決が無罪なら、裁判官の法の解釈に、相対性があったと考えている。

いうまでもなく今の金融市場は相対性が支配している。だから相対性優位’が揺るがない米国はなんでもできる。

今の米国経済のデカップリング論(米国経済は堅調という見方)、中央銀行としての秩序維持をFEDが止めても、ソレを攻撃するマネーの力が他に存在しなかったからだ。

同じ事を他の中央銀行がしたらヘッジファンドに攻撃される。なら米国の属国の日本は、日銀がある程度FEDを追随しても、今ならそれを国益につなげる事が可能だということ。

「4億円の経済大国」のコラムにはその意図もあった。

イスラムの絶対性や中国が米国を超えるのはかなり先だろう。その間金融市場は激しく振れても、それはボラティリィティのマネジメントを競うゲームの場でしかない。(負者は退場するが)

そして、米国の相対的優位をゆるがすのは米国内のマグマ。ソレが噴き出す確立は、日本の次の大地震と同じに考えている・・。

2012年4月26日木曜日

アメリカ新素描  日産センチュリー証券コラムから


アメリカ新素描                                             4月22日作成

              

              < 米国からみたフランス大統領選  

 

 米国の市場関係者もフランスの大統領選挙を注目してきましたが、その一回戦が終わりました。予想通り、サルコジ大統領とオランド氏で決選投票になりました。これで相場は面白くなりました。
 

 昨年米国の株安はオバマ大統領に味方しました。株安のきっかけは欧州問題。それに加え、米国の財政問題が噴出しました。そして米国債発行枠の上限をめぐり議会は紛糾。二大政党と政権が三つどもえのなじり合いを展開しました。そんな中大手ではS&P社が米国債を格下げしました。

 ハイベータの米国経済下、5月の株安で夏には景気低迷-雇用悪化の連鎖が始まっており、そこに共和党は雇用保険の打ち切りを迫りました。結果、株が大幅安になると、世論は財政規律重視の共和党(下院)を見限り、オバマ大統領を支持しました。

 ではフランスはどうでしょう。サルコジ大統領が負ければ株は下落するとみられていますが、(ソブリンリスクなので仏国債も)もし相場が決選投票までに大崩れすれば、それはサルコジ大統領の援護射撃になるのでしょうか。サルコジ大統領はさっそく金融市場が大パニックになると警鐘したと聞きました。

 ただフランスは元々社会主義政策が浸透した国です。失業率も高原状態にあり、景気も低迷しています。ならば更に株安になったところで、それがサルコジ大統領の援護になる可能性は、米国よりも低いのではないでしょうか。

            < オバマ政権の株安予防策 >

 

 一方昨年の株安を政治的に利用したオバマ大統領は、ここからの株安にナーバスになってきました。その一例を紹介すると、先週オバマ大統領はこれ以上のガソリン価格高騰を防ぐため、先物市場を使った投機筋に直々に警告を発しました。

 実は昨年もこの時期にオバマ政権は同じようなことをしました。その時はガソリンの先物市場に介入してきました(証拠金引き上げ)。しかし今回は実弾よりもパブリシティへのアピールのようです。

 しかし昨年の先物への介入も効果はなかったのですが、今年は管轄当局のCFTCの管理能力が更に劣化していると言われています。理由は財政削減で予算が削られた上、CFTCはドットフランク法案に忙殺されています。

 そこに、CNBCのリポートでは、内部者のリークとして物悲しい話も聞こえてきました。なんと当局が使っているパソコンでは、最新鋭のパソコンを駆使するヘッジファンドの取引を調査できないというのです。つまり、パトカーがスピード違反のスーパーカーに追いつけない事態が米国の先物市場では起きているのです。

 
 ガソリン価格が上がれば消費が落ちます。当然株は下がりますが、その場合、伝家の宝刀のFEDQEも安易には繰り出せません(ガソリン価格が更に上がる)。そこでオバマ大統領はまずは権威でエネルギー市場を威嚇をしたのです。

                   

              < 見せしめ?イーガンジョーンズ社 >

 

 更にオバマ政権は、株安を誘発しかねない格付け機関も威嚇しました。先週SECは独立系格付け会社のイーガンジョーンズ社に対し、なんと2008年の格付け資料に問題があるとして、今後2年間の格付け停止を警告してきたのです。

 この話で筆者が感じたのは、オバマ政権の余裕のなさでした。もしかしたら共和党の候補がロムニーに決まったという報道も影響したのかもしれません。いずれにしても、ここまであからさまな権力による威嚇はこの国では珍しいと言えるでしょう。

 そこでもう少しイーガンジョーンズ社の事を紹介します。同社は昔から、発行側でなく投資家から手数料を取ることで、より公正な判断ができる事を売り物にしてきた格付け会社です。筆者がこの会社の存在を知ったのは2003年頃でした。

 
 筆者自身その頃には在庫が目立ってきたBIG3の異変に気付きました。それでも大手格付け機関は自動車メーカーにAAAを続けていました。それに対し警告を発したのがイーガンジョーンズでした。同社は単独でフォードを格下げしたのです。この時からイーガンジョーンズの名が一部では注目されるようになりました。

 筆者もその頃から大手金融機関と一線を画すビジネスモデルを展開した事もあり、同社を注目してきました。そしてその後も同社の実績は続き、どこよりも早くエンロンとワールドコムを格下げし、2008年の金融危機では、S&Pが倒産する1か月前のリーマンにAAAを与える中、同社は金融機関の格下げを淡々と行いました。

 そしてついにその実績を無視できなくなったSECは、2007年同社を大手3社と同じ扱いにしたのです。一方でその後も同社の遠慮ない格付けは続き、昨年はついに米国債をS&Pに先駆けて格下げしました。

 こうみると、ブッシュ政権下のSECも、最後に正しい事をしたと言えます。ところがオバマ政権下、シャピーロ女史にトップが代わってからのSECは恣意的です。国益として、懲罰よりも金融救済を優先したのはしかたないとして、ここまであからさまな権力による威嚇が本当に国益につながるのか疑問です。

 それもこれも、45日にイーガンジョーンズ社が米国債の格付けを更にAAにまで格下げしたからでしょう。この時に保守系の市場コメントには、昨年引き上げた米国債発行枠の上限が、予定の2013年ではなく、今年の10月には再び使い切ってしまうとの予想が出ました。

 この予想と同社の再格下げの関係は判りません。しかしパターンが昨年と同じなら、オバマ政権は選挙直前に、同じ理由で、再び株の下げ相場を経験する可能性があります。そう考えると、それを恐れたオバマ政権がなりふり構わず強硬策に出たとしてもうなずけます。

              

          <オバマ再選の鍵を握るアップルとフェイスブック >
 

 ただ、政権がどんな手段で株安を避けようとしても、真の市場原理からは逃れられないでしょう。その可能性を感じたのが先週のアップル株の動きです。
 アップル株は、スチィーブジョブズ氏が無くなった昨年105日には380ドルでした。ところが、その後の高騰で49日には639ドルの最高値を付けました。

 アップルがiPodを出したのは200111月です。その時同社株は7ドルでした。そして20029月に6ドルの安値を付け、そこから奇跡の復活が始まりました。それでも、ジョブズ氏のもと、iPodからiPhone4sに至るまで9年間で370ドルの上昇でした。ところがジョブズ氏が亡くなってからは、僅か半年で260ドルも上がりました。

 このアップル株や上場を控えたフェイスブックと、その関連銘柄のIPOの狂騒を肯定して、今米国はルネッサンス期に入ったという人がいます

そうかもしれません。しかし今アップル株は、ジョブズ氏が9年かけて達成した370ドルの価値に、ジョブズ氏が亡くなってからの6ヶ月で280ドル価値が新たに加わった整合性が試されようとしています。 

 もし後者が正しいなら、市場はジョブスの価値を侮辱しているともいえます。なぜなら彼がいない方が、会社は数倍のペースで成長すると予想しているわけですから。 そして問題は、先週の米株全体の値動きが、実はアップルの株に連動していただけという衝撃です。
 

 そもそも自分に自信があったジョブズ氏は配当をしませんでした。しかし彼の後を受けた経営陣は配当と分割を表明しました。この配当は成長への自信の無さの表れと見るファンドマネージャーもいます。彼等はこの配当を、2004年のマイクロソフトの特別配当とダブらせているのです。

 マイクロソフトは2004年の特別配当を境に爆発的成長は終ったと言われました。そして今アップル株も下落を始めました。もしこのままアップルが株全体を下げてしまうなら、オバマ政権には脅威となるでしょう。

 オバマ政権が株安を避けたいなら、アップル株の下落を止める事。更にフェイスブックの上場を株価全体のサポートにつなげることが重要ですしかし小手先の介入をしたところで、最後は宇宙を支配する市場原理が勝るはずです。
米国はその時々の主役がだれであれ、その真理を最も知っている国です。つまりはオバマ大統領の命運も、その一環でしかないと考えています。                                 

2012年4月20日金曜日

消えた憎しみ (真マネー原理プロから)

その昔、三重野元日銀総裁を殺したいほど憎んだ証券マンは多い。自分もその一人。ところが、今は三重野さんと正反対のバーナンケを批判している。では一体自分は何をしたいのか。

この苦悶なく純粋に市場を観ていた頃が懐かしい。ただその頃に帰りたいとは思わない。なぜならそれでは市場原理に反するからだ。同じ仕事をしていても、昔の自分は死ぬべきである。

何度も言うが、元来金融と市場とは分けて考えるべきモノである。それが建国の父の精神だった。だがバーナンケの世代は、その救済のために原理を変えた。

パンデイット会長がCITIに来たのはその真っ最中。その時彼は年俸を1ドルに設定。世間の注目を浴びた。だが昨年は15ミリオン。更に40ミリオンのリテンションボーナスを認める滑稽さだ

一方3年前は4000億円の大勝ち、昨年はその半分を負けたジョンポールソン。ヘッジファンドの彼は、2008年のどさくさではFEDを利用したが、本質は市場で生きている。

今後FEDは彼を助けないだろう。(TALFプログラムはヘッジファンドまで対象)。しかしCITIは違う。CITIは何があってもTOO BIG TO FAILの金融である。昨日、パンデイッット会長の報酬は、株主よって否決された。

ただ個人的にはTOO BIG TO FAILが悪だとは思わない。日本はその中でバランスを見いだした。なによりも、三重野さんの時代を挟んで、日本の金融機関の経営者は交代した。

それに比べ、米国は危機を挟んで経営者の交代は完了してない。誰も責任を取らなかったので当然か。中には自分で火をつけて(サーベイオックスレイ廃止のロビー)その後消防士になったポールソン(財務長官)という不思議なヒーローもいる。

結果金融による「利益の私的化、損失の公的化」の矛盾はそのままである。言い換えれば、民主主義の仕組みの中で、それだけ金融ロビイストの活動が成功したという事。彼等は民主党からは救済、共和党からは放任を引き出した

その結果生まれたメルトアップを、最近は「ルネッサンス」と呼ぶ。NHKには今の米国に対する意見を三重野さんから聞き出してほしかった。

いずれにしても、20年を振り返り、彼は日本を最も変えた人でははないか。政治では大臣の首の挿げ替えが盛んだが、そんな事をしても何も変わらないだろう。三重野さんが永眠され、時代に区切りがつくかどうかに注目している

2012年4月18日水曜日

神(ジェフリーガンロック)のお告げ(真マネー原理プロ)






資料のデータが大きすぎ、有料版に張れなかったのでここに添付。これらの資料をネットで見れる時代と、今日本の巷で起こる金融事件事故のパラレルワールドには驚くばかり。その点につての読者の質問意見をいただければ幸甚です。(筆者)

2012年4月17日火曜日

交渉と覚悟(真マネー原理プロから)


朝のヘッジファンドのツイッターには以下のコメント。

This is just hilarious on so many levels: Japan Will Provide $60 Billion to Expand IMF’s Resources (Bloomberg) - just don't look at Fukushima, don't look at the zero nuclear plants working, don't look at the recent trade deficit, and certainly don't look at the Y1 quadrillion in debt

欧州危機(IMF)に日本が5兆円を拠出・・。国内問題が大変な時に、日本がこんな大金を欧州問題に出すということで、保守派のヘッジファンドが集まるこのサイトでは日本をバカモノ扱い。

これで円債がどうなるのか興味深いが、個人的には戦略として総合的な勝算があるなら、反対はしない。しかし近年その実績はみえない。そもそもどんな戦略で何を交渉しているのか、国民は知らされていない。

本来外交はその全てを国民に知らせる必要はない。だが昨今の国民生活のレベルや、ここ数年の外交実績、更に予想される国際情勢の変化を考慮すれば、石原都知事が尖閣諸島を買うと言いだすのも仕方ない。

徳川末期、外圧に臆した国家(幕府)に薩長という地方が立ちあがった。共に負けたが、薩長は欧米に砲門を向けた。そこが交渉の起点だった

完敗、交渉を経て幕府を倒すために薩長を助けたのはその英国だ。結果徳川は消滅した。

この時歴史はより覚悟のある方に味方したのだろう。当時よりも今が不幸なのは、戦う気概があるのは石原慎太郎の年代で、コア世代が徳川の様に見える事。

知識や情報があっても、覚悟がなければ何を交渉しても勝てないだろう・・。

そこでもう一度ケネディ。これはTPP騒ぎの時に紹介した。

Let us never negotiate out of fear. But let us never fear to negotiate。
(怯えから交渉に乗るべきではない。だが、相手が誰でも、交渉することを怯えてはならない。)

J .F. Kennedy 

尚、参考までに、今年のピューリッザー賞に決まった報道写真を添付した。(NYタイムス アフガニスタンより・・)

2012年4月16日月曜日

下品な主張

写真の女性は米国の女性コメディアンのサラ シルバーマン。中絶の権利を弁護する立場の彼女は、ジョークを交えてこの写真を公開した。(両方とも偽物)

言うまでもなく米国で中絶は重要な問題だ。中絶を擁護する立場の医師は、反対のたち場をとる過激派から殺されるリスクもある。

個人的にはPro Life (中絶反対主義)でもPro-choice(中絶擁護)でもない。しかしなんでもあからさまに主張するこの種の表現は下品だと感じる。

ところで、渡米した直後(93年)、こちらである日本人女性に関して論争が起こっていた。彼女は日本人男性と結婚して子供が二人できたが、離婚後、将来を悲観して入水自殺を図った。

しかし、彼女は自分だけ助かってしまった。論争とは子供二人を殺した罪で死刑もありうるなか、日本人社会から彼女を弁護する運動がおこっていたのだ。

当時は彼女に同情した事を覚えている。結局彼女がどうなったかは判らないが、米国で長く暮らし、今は彼女は十分極刑に値すると考えるようになった。

尊厳死は尊重したい。だが、何もできない子供を巻き込んだ一家心中は許し難い殺人である。子供の可能性を自分の経験で判断している不遜。そんな親はいい時はモンスターぺアレント、悪くなれば自暴自棄ではないか。

世界には宗教的理由で娘を殺す親もいる。少し前、米国で年頃の娘3人を車ごとで水中に沈めた父親が逮捕された。イスラムのおきてに反し米国化した娘達を恥じての殺人だったが、黙認した母親も罪に問われた。

このような悲劇は今後も防げないかもしれない。だが少子高齢化をこれほど危惧する日本なら、もう少し明確にすべき事がある。無理心中は重大な殺人。死んだ親を不起訴にしてはならない。



2012年4月11日水曜日

いらん外交 G14って誰 金融は国防だ (真マネー原理プロから)


北朝鮮のミサイル発射は、若い指導者もメディア対応でより欧米化路線を明確にしている。そのせいか、前回に比べて緊張感が今一つの様子。ならば問題は北朝鮮の技術力。敵意はなくとも、技術力がなければ同じ結果だ。考え方によっては防衛庁には国民向けに日頃の訓練のデモンストレーションになる。これはこれで新時代の一つの前兆か。 

さて、記者会見で自民党の石原幹事長が、鳩山元総理のイラン訪問を、“いらん” 外交だったとダジャレを言っていた。自民党では山本議員が「国益にの為」に民主党は「羽交い絞め」にしてでも元総理のイラン訪問を止めろと言った。ではこの人やメディアが言う「国益のために」にの国益とは何ぞや。もしかしてそれは米国のご機嫌をうかがう事か。同じ人々がTPPを議論しているのが今の日本。いずれにしても、国益のために本気で怒っているなら、幹事長が者会見の場でダジャレを言っている場合ではない。米国ではそんなことはありえない。これでは鳩山さんの脇の甘さと、我々戦後世代の米国一辺倒によるイマジネーション不足は同じレベルの罪だ。どちらにころんでも、米国は日本相手のポーカーでは負けない。

ところで、欧州が話題になると、CDSなどがまた直接の相場要因になる(ソブリン問題で株が下がる)。添付資料からは、あの金融危機を引き起こした欧米の金融機関は、当初はおとなしくするふりを見せたものの、最初からドットフランク法などを受け入れるつもりがあったとは思えない。今金融がこの現実(ポジション)を回復の源として人質にすれば当局も政治も何もできない。そして何かあれば、市場のボラに脅されたメディアと金融子飼のエコノミストはまた危機が来たと騒ぐ。そして世界中の中央銀行がQEを続ける。(これがTOO BIG TO FAILの仕組み)

バーナンケよりジェイミーダイモンが力を持った今(異論のある方はどうぞ)、いずれ起こるブラックススワンとは、一つの出来事ではなくこのトレンドそのものを言うのだろう。投資家はソレを覚悟して相場とつきあうしかない。ならばこと日本においては、自由化などといって市場をルースにするのが得策とは思えない。なぜなら、昨今の金融事件をみるまでもなく、日本の個人のレベルは赤子同然。やはり日本は金融を国防として対処すべきだろう。その戦いは北朝鮮のミサイルよりはるかに手ごわい。

そこで気になるのが野村証券。添付資料にもあるG14(14のグローバル デリバティブ ビックプレーヤー)は、流動性不足を理由に今年から野村とクレディアグリコールをこのサークルに招待した。だが今の野村の体力では、浮かれるよりも、こんなところに入らない方がいいのではないか。無理をして狙い撃ちされれば、それこそ日本の国益を損なう結果が待っているだろう・・。



               < 神聖な伝統 > 真マネー原理プロから




神聖さは安易にルールを換えない事が条件・・。ここでも紹介したが、昨年100周年を迎えたIBMの記念広告レターは素晴らしい文章だった。そこには変革しつつも、企業としての本質を100年間失わなかった気品が溢れていた。一方ルールを曲げない事で、神聖さと権威を維持してきたのはオーガスタナショナルも同じ。2003年に起こった「女性メンバー拒否」への批判にも全く動じなかった。ではマスターズ最大のスポンサーのIBMの社長に女性がなったらどうなるのか。スポンサーシップ間、IBMの社長には自動的にメンバーシップが送られていたが、今年のマスターズは、誰が勝つかと、写真のロメッティCEOがメンバーとしてグリーンジャケットを着るかが注目された。結果は写見ての通り。ゴルフにはあまり興味がないという彼女は、昨日ギャラリーの中から観戦した・・。

一方でアメリカの実利主義は発展の原動力だったのも事実。金融市場に支配された近年は、その伝統が失われていたが(IT関連の消費を除き)、今日は久しぶりに米国の実利主義が健全な資本主義を育む力を実感した。CNBCのリックサンテリはオクラホマまで出向き、そこで市販のガソリン車を天然ガス車社に転換する装置を販売するベンチャー企業を取材した。高騰する原油先物のヘッジで天然ガス先物は死んでいる状態。しかしリックのリポートでは転換した後のガス車は1ガロンあたり80マイルの走行距離を誇り、1ガロンのコストは60セントだという。まだ安全面やコストで改善すべき点が多いが(そこは日本やらせた方がいい)これで金融市場の過剰流動性がもたらしたガソリン高と、そのヘッジ?で価格を失ったガスは、技術力によって調整を迫られる可能性がでてきた。

2012年4月7日土曜日

恥ずかしいニュース

NHK BSのワールドWAVEという番組を初めて見た。欧州 米国 アジアの経済問題を、専門家を招いて紹介していた。

疑問だったのは、なぜこの内容をBSでやるのか。本質へ突っ込みはなかったが、現象の解説は判り易くよくまとまっており、日本人が知るべき基本情報としてNHKは総合で取り上げるべき内容だった。

ところで米国では、テレビジャパンが、NHKBSから世界のどこに危険があるかを毎日数分簡単に流している。ニューヨークタイムスのレベルと比べれば内容はお話にならない。だがそれでも十分役には立つ。

結論からすると、経済に限らず、国際情勢もNHKはもう少し「総合」で流すべきだ。簡単な渡航警告を、個人的に楽しみにしている「井田さんの天気予報」の次に触れるのもいいだろう。

そうすれば70人以上の日本人観光客が、今のパキスタンで足止めになっているなどいうニュースが流れる事はなかったのではないか。

そもそもヨーロッパや米国人にとってパキスタンは遠い国。ただ今はアフガンを通しかなりの米国人もパキスタンについては勉強した。それに比べ日本はアジアの先進国である。

普通の日本人は、どちらかと言うと怖がり屋さんが多いはずだ。ではなぜ今のパキスタンにこれだけ多くの日本人が観光で出かけるのか。平均的教養の欧米人はまず理解できないだろう。

筆者にも理解できない。まさかとは思うが、もしこれが平和ボケによるパキスタン情勢に対する無知から来ているとしたら、それは国家の恥。その責任は公共放送としてのNHKにもある。

いずれにしても、渡航の理由が観光なら、海外向けに報道しない方がよいだろう・・。

2012年4月4日水曜日

日本車の限界










思ったより自動車販売が好調。特にフォードはいい車を出し始めた。そんな中、さすがのトヨタ本田の日本勢も手も足も出ない物体をボストンのTerrafugia社が279000ドルで販売する

フェラーリーより安い。ただこの物体は車なのか飛行機なのか。さすが14歳~16歳で飛行機免許が取れる国(州によって違う)ここに日本車の限界を観た。



2012年4月3日火曜日

ゲームチェンジ



日本人が米国を知る上で必須の映画がある。 「GAME CHANGE」。「一発逆転」の意味、実話としてHBOが作成した。

主役のサラぺイリンを演じたジュリアンムーア。マケインを演じたエドハリス。そして選挙戦の責任者、スチィーブシュミットを演じたウッディーハリソン。皆一流である。

映画を観て、今はサラペイリンはいずれ大統領になるだろうと考えている。だがつい先日まで、その可能性はないと考えていた。なぜなら自分はどうやら知識と知性を混同していたからだ。

実話として面白い場面が随所にある。彼女が副大統領候補に指名されたのは金融危機の最中。リーマンとベアスターンの違いなどは無縁だった彼女は、政権にによる救済の全貌を理解しようと必死で努力する。

渡されたバーンナンケ評価のスクリプトを必死で暗記したものの、そもそもFRBが何の意味か判らなかった。(FRB: 米国の中央銀行 Federal Reserve Boardの略)

確かにその時点では彼女の知識は豊富とはいえなかった。だがレーガンや(息子)ブッシュをみるまでもなく、知識は政治家としての大成を意味しない。

映画では、討論が下手だったレーガンは、大気汚染の原因を聞かれ、「TREE 木」と応えてしまった話も紹介された。(温暖化と森林の関係ではない)

知識がなくても人を動かせる人がいる。恐らくそれが政治家としての知性。レーガンには天性の政治知性があった。この映画を観て、経験を積めばサラペイリンもレーガンになれる可能性があることを知った。

米国の大統領戦は、素材をその道にたけた人が集まり、勝利に向かって作り上げていく過程が凄い(特に共和党)。敵の価値を削ぎ、己の価値を高める勝負。つまり、有権者にどっちを買わせるかの商売である。

映画を観ると、日本人にも、候補者の後ろには(AKB48を世に出した)秋元康が何十人も集まっている事がわかる。日本のテレビ局は意味のない大統領選リポートを辞めて、この映画を字幕で紹介すべきだろう・・。

http://www.dailymotion.com/video/xpeok5_hbo-films-game-change-tease_shortfilms