2012年4月11日水曜日

いらん外交 G14って誰 金融は国防だ (真マネー原理プロから)


北朝鮮のミサイル発射は、若い指導者もメディア対応でより欧米化路線を明確にしている。そのせいか、前回に比べて緊張感が今一つの様子。ならば問題は北朝鮮の技術力。敵意はなくとも、技術力がなければ同じ結果だ。考え方によっては防衛庁には国民向けに日頃の訓練のデモンストレーションになる。これはこれで新時代の一つの前兆か。 

さて、記者会見で自民党の石原幹事長が、鳩山元総理のイラン訪問を、“いらん” 外交だったとダジャレを言っていた。自民党では山本議員が「国益にの為」に民主党は「羽交い絞め」にしてでも元総理のイラン訪問を止めろと言った。ではこの人やメディアが言う「国益のために」にの国益とは何ぞや。もしかしてそれは米国のご機嫌をうかがう事か。同じ人々がTPPを議論しているのが今の日本。いずれにしても、国益のために本気で怒っているなら、幹事長が者会見の場でダジャレを言っている場合ではない。米国ではそんなことはありえない。これでは鳩山さんの脇の甘さと、我々戦後世代の米国一辺倒によるイマジネーション不足は同じレベルの罪だ。どちらにころんでも、米国は日本相手のポーカーでは負けない。

ところで、欧州が話題になると、CDSなどがまた直接の相場要因になる(ソブリン問題で株が下がる)。添付資料からは、あの金融危機を引き起こした欧米の金融機関は、当初はおとなしくするふりを見せたものの、最初からドットフランク法などを受け入れるつもりがあったとは思えない。今金融がこの現実(ポジション)を回復の源として人質にすれば当局も政治も何もできない。そして何かあれば、市場のボラに脅されたメディアと金融子飼のエコノミストはまた危機が来たと騒ぐ。そして世界中の中央銀行がQEを続ける。(これがTOO BIG TO FAILの仕組み)

バーナンケよりジェイミーダイモンが力を持った今(異論のある方はどうぞ)、いずれ起こるブラックススワンとは、一つの出来事ではなくこのトレンドそのものを言うのだろう。投資家はソレを覚悟して相場とつきあうしかない。ならばこと日本においては、自由化などといって市場をルースにするのが得策とは思えない。なぜなら、昨今の金融事件をみるまでもなく、日本の個人のレベルは赤子同然。やはり日本は金融を国防として対処すべきだろう。その戦いは北朝鮮のミサイルよりはるかに手ごわい。

そこで気になるのが野村証券。添付資料にもあるG14(14のグローバル デリバティブ ビックプレーヤー)は、流動性不足を理由に今年から野村とクレディアグリコールをこのサークルに招待した。だが今の野村の体力では、浮かれるよりも、こんなところに入らない方がいいのではないか。無理をして狙い撃ちされれば、それこそ日本の国益を損なう結果が待っているだろう・・。



               < 神聖な伝統 > 真マネー原理プロから




神聖さは安易にルールを換えない事が条件・・。ここでも紹介したが、昨年100周年を迎えたIBMの記念広告レターは素晴らしい文章だった。そこには変革しつつも、企業としての本質を100年間失わなかった気品が溢れていた。一方ルールを曲げない事で、神聖さと権威を維持してきたのはオーガスタナショナルも同じ。2003年に起こった「女性メンバー拒否」への批判にも全く動じなかった。ではマスターズ最大のスポンサーのIBMの社長に女性がなったらどうなるのか。スポンサーシップ間、IBMの社長には自動的にメンバーシップが送られていたが、今年のマスターズは、誰が勝つかと、写真のロメッティCEOがメンバーとしてグリーンジャケットを着るかが注目された。結果は写見ての通り。ゴルフにはあまり興味がないという彼女は、昨日ギャラリーの中から観戦した・・。

一方でアメリカの実利主義は発展の原動力だったのも事実。金融市場に支配された近年は、その伝統が失われていたが(IT関連の消費を除き)、今日は久しぶりに米国の実利主義が健全な資本主義を育む力を実感した。CNBCのリックサンテリはオクラホマまで出向き、そこで市販のガソリン車を天然ガス車社に転換する装置を販売するベンチャー企業を取材した。高騰する原油先物のヘッジで天然ガス先物は死んでいる状態。しかしリックのリポートでは転換した後のガス車は1ガロンあたり80マイルの走行距離を誇り、1ガロンのコストは60セントだという。まだ安全面やコストで改善すべき点が多いが(そこは日本やらせた方がいい)これで金融市場の過剰流動性がもたらしたガソリン高と、そのヘッジ?で価格を失ったガスは、技術力によって調整を迫られる可能性がでてきた。