2011年7月12日火曜日

熱い女性たち(顧客レター)

今日は欧州時間と米国時間は別のテーマが主役。欧州のテーマは株安/債券高がはっきりしているが、米国のテーマ(DEBTCEILING)は値動きのコンセンサスが見えない。ただ決算シーズンがキックオフになった。よって株は場中にどれだけ売られていても、大引けは必ずカバーが入る事を意識する必要あり。

さて、この後はオバマのスピーチより実はもタイガーウッズのアナウンスの方が興味がある。タイガーは何を言うのか。まさか引退?。そんな中、昨日の米国とブラジルの女子サッカーは久しぶりに米国の良さがスポーツにでた試合だった。(タイガーの記者会見は中止)

米国の良さがスポーツでた最大のケースは何と言ってもミラクルオンアイスのアイスホッケーだったが(レークプラシッドでソ連に勝った奇跡)その後スタインブレナーが現れ、米国のプロスポーツ界にフリーエージェント制のハイパーインフレを起こした。

そして米国人はオリンピックで集団競技にそれほど注目しなくなり、(米国が熱くなる金メダルの大半は個人競技、)一方で国内のプロスポーツはドラッグが当然になっていった。その光景に慣れてしまったためか、昨日の米国対ブラジルの女子サッカーに米国が熱くなったのは新鮮だった・・。






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Subject:
Date: Mon, 11 Jul 2011 05:09:34 -0700


日曜のDEBTCEILINGの協議で共和党が2Tと言うオバマ政権の主張の半分の数字を持ち出した事で、一部は妥協が近いと錯覚した様子。ただそれは間違い。共和党は増税を議題にするつもりはまったくなく、バランスシート改善により積極的な姿勢を示したオバマ政権も、全ての前提が増税になっている事から全く歩み寄りはない。そして今日の11時(NY時間)オバマが何度もUPDATEを強いられるのはデフォルトした際のイメージ戦略と考えた方がよい。一体どちらが誰が無理を言っているのか。既に事が起こった後のイメージ戦略に主眼は移っている・・。





2011年7月9日土曜日

トランスフォーマー







どのチャートをみてもこの国がもう昔の米国でない事は明らか。にもかかわらず、それを認めないのはこの国自身だ。そろそろレーガン主義の限界に気付いてほしいが、今のところ企業は儲けても国内の人員を雇う気配はなく、一方世界大戦の時代でもない今、共和党の「規制緩和が雇用を増やす」とのスローガンは強欲な経営者に利用されているだけ。要するに、成長が止まった小世界ほど国家としては醜いモノはなく、そこには愛国心のかけらもみえない。

そんな中、バフェットが、もしDEBT CEILINGの話が進展しない場合どうなるかとの質問に、その時はバークシャー等、自分の会社の関係者には税金の前払いを強要するかも・・(財政を助けるために)と、彼流のメッセージを流した。まあ半分冗談なのは、バフェットはそんなことに賛同する人は限られていることを知っているからだろう。

ではこの国に残された道は何。漠然と成長の構造ををトランスフォームするしかない事は判る。ソレが添付したチャートの本質。今の金融ゲームはそのつなぎとして、その期間が長くなればなるほど危険である事を賢者は感じている。まあ個人的には財・サービスと消費で(GDPを)考えたマクロの常識を超える新しい公式の出現を待つしかないが、今の気分転換にはトランスフォーマーの最新作を3Dで観るのは良い。とくにシカゴを知らない人は必見。後半はシカゴの綺麗な街並みが満載となる。そしてそのビルが全て壊されていく。このCBOTのビルも登場し周辺も殆ど破壊された。

CGとはいえそのイメージが残る中で今日快晴のシカゴの美しさは違和感。そしてちょうど昨年今頃、3連休を利用してダウンタウンシャットダウンして撮影されたとされる鳥人のシーンは圧巻。ウイングスーツを着た特殊部隊が高層ビルの間を降り立つ。あれを本当に人間がやった処がカビ臭いフランス映画にはない米国の凄いところであるのは事実だろう。

ただ作品の評価は酷い。星は一つ半だ。観れば低い評価の理由は明らか。それは、3部作の終結として期待した人には、ストーリーが過去の2作との関連ではメチャクチャになってしまったからだろう。なぜなら主役のヒロインを演じるはずだった女優が監督を批判したために、一度シナリオが完成した後で突然降板させなければならないアクシデントがあった。(監督のマイケルベイは女優を擁護したが、激怒した製作者のスピルバーグのエグゼキィブオーダーだったという)

ただそのメチャクチャなストーリーの中でも不思議な点が一つ。それは今日こちらで話題だったシャトル引退による米国の宇宙での競争力衰退が実はこの最終作でも重要な筋になっていた事。まあ元々ストーリーでうならせる映画ではない事を承知すれば十分映画館に行く価値はあり・・

(CBSの鳥人の紹介)
http://www.cbsnews.com/stories/2011/06/28/earlyshow/leisure/main20075001.shtml

2011年7月8日金曜日

世論操作

今日のNYTの一面はメキシコから移民が来なくなった現象。今年命がけでメキシコから米国を目指す人の数は1950年代以来の低水準になっていると言う。記事では国内にとどまり始めた若者の話があった。彼らはメキシコの魅力が急増したというより、渡米に命をかける価値が無くなったと感じている。麻薬組織から逃れ、灼熱のアリゾナの砂漠を何とか乗り切ったとしても、そこが「別のメキシコ」だったら意味が無いということである。

以前キューバから移民が来なくなった話をした。メキシコかもら不法移民が来なくなったことは、彼らにとってのドリームだった米国の中流階級が消えつつある証明だろう。一方で不法ではなく合法的に移民するのが旧東欧諸国だ。この国ではかつてのアメリカンドリームが消える一方、社会主義化する矛盾を逆手にとるのは彼らにとっては容易いのかもしれない。

さて、今日は217000人というキーナンバーを挙げておく。この数字は2012年11月までに失業率を8%未満にするためにこれから毎月増加しなければならない「ノンファーム(非農業雇用指数)」の平均値である。(8%台以上の失業率で過去再選された大統領はいない)

ではこの数字がただの目標なのか、或いは絶対条件としてその達成のためにこの国の政治は手段を選ばないのか。今後の相場にも関係するこの見通しは日本人には難しい課題だ。

それを感じる上で、米国には日本では普通に用いられる「優秀な人」と言う褒め方がない事を触れておく。この国は「出来る人」と「そうでない人」で区別される。つまり学業優秀で真面目に努力する人だが、結果が残せなければ優秀とは言わない。

そんな出来る人が集まって戦略を練るのが政権。そこでは法律は守るモノではなく破らないモノ。そして何よりも彼らは民主主義がいかに非効率かを知っており、その彼ら束ねるオバマは彼らの使い方を知っている。

そして今政権はFACEBOOK等のソーシャルメデイアを通して世論を作り出すことに必死。なぜなら世論を作り出せなければ民主主義下の政治は何も出来ない。結果が残せないのは無能。この公式からすれば、一体何をやっているのか判らないのが日本。こちらでは企業がサクラメールで世論を造るなど取るに足らない話だが、そんな幼稚なレベルもやり切る事ができない。

このような事を繰り返し、政治が何も動かせないツケは国民が払う。これがこれまでの日本流だとして、今の日本はこんな酔狂を繰り返している場合ではない。一方で再選に向けて継続的な21万人の雇用増という目標が定まったオバマ政権。彼らが何を作り出すか。仮に経済指標が創りモノであっても、ソレで株が上がり、結果的に雇用が増えれば仕事は完了する・・。






2011年7月7日木曜日

アメリカンフォーリー(American Folly)




今年の独立記念日は天候に恵まれ多くの米国人が花火を堪能できたという。まあ今の米国人にとって独立記念日は「花火の日」でしかなく、この国にとって独立が何だったか最早はどうでもいい話である。ではその米国からいつまでたっても独立しようとしない日本は、米国はどうやって独立したのかを敢えて知るべきだろう。

そもそも米国は独立戦争でイギリス軍を打ち負かしたのではない。職業軍人部隊のイギリス軍に対し初代大統領のジョージワシントンが率いた米軍は基本的に農民の反乱軍。そんなことは不可能である。客観的にみて米国の独立はフランスの協力なしにはありえなかった。それは記念日に再放送された第2代大統領のジョンアダムスの伝記でも米国人に示された。そこでは米国のグランドデザイナーのベンジャミンフランクリンが、フランスに駐在し、ジョンアダムスと協力しながらアメリカがイギリスから独立するためにフランスが協力する環境を整える様子が描かれている。ならば米国は独立記念日にはもう少しフランスに敬意を払ってもよいはずだ。

今の米国人が歴史に興味を示さず、フランスをはじめとする欧州を軽視する事に、逆にフランス人はどこかで米国を馬鹿にしているだろう。その典型が独立記念日のニューヨークタイム。特集は 「AMERICAN FOLLY」だったが、ストラスカーンの一件で更に若い知識階級のフランス人はこの思いが強くなっているらしい。「アメリカンフォーリー」とはその言葉の通り米国の愚かさと言う意味。フランスからすれば、トランスフォーマーのような映画しかつくれない今の米国の風潮が、拙速なストラスカーンの逮捕につながったと考えているようだった。その意味ではここにて欧州流の協調に水を差す米国の格付け機関の行動も「目立ちたがり屋」以外の何物でもない。(ギリシャ国債の扱いにおけるS&P)

恐らく、このような事が重なって金融危機後の協調は崩れていく。相場はその時が楽しみだが、次に共和党から大統領が出たらその可能性が一気に高まる。一方米国ではその前に今週米国債上限で山場が来る。ならばこの国が小世界たる事の意味をしらず、イメージだけで米国債を抱えてきた日本の投資家は今こそ米国憲法修正条項第14条の4番を勉強した方がいいだろう。過激な共和党の中にはこの時代にこんな話を持ち出す輩がいるのだ。

そして最後に最も重要な事を一つ。今は国家の借金として国債と成長率ばかりが取り上げられる。だがそれは格付け機関のまやかし。厳密には「国家の借金=国債発行残高」ではない。それが冒頭の資料。それをみると今こ国の借金は14兆ドルではなく60兆ドル前後になるだろう。小世界のアメリカは独立後、偉大な建国の父の威光もあり、徐々に地球と言う大世界をその傘下に従えた。その構造がこの借金を誰かに肩代わりさせているにすぎないのである。

(資料は2007年の)

(米国憲法修正条項第14条4章)

Section 4. The validity of the public debt of the United States, authorized by law, including debts incurred for payment of pensions and bounties for services in suppressing insurrection or rebellion, shall not be questioned. But neither the United States nor any State shall assume or pay any debt or obligation incurred in aid of insurrection or rebellion against the United States, or any claim for the loss or emancipation of any slave; but all such debts, obligations and claims shall be held illegal and void.





2011年7月6日水曜日

49対25の衝撃 破産を好む米国人

ギリシャの話が先週で一旦終わり、今週米国では米国債の発行枠を巡る政治が佳境を迎える。ソレを控え先週CNBCが伝えた調査結果は衝撃だった。CNBCは発行枠が引き上がらずこのまま米国がデフォルトになるのと、枠が引き上がり、結果として国の財政悪化が進むのとどちらが悪いかを一般の米国人に聞きとり調査をした。

結果は49%が共和党の主張する「財政悪化がより悪」だという意見に賛同。25%だけが政権が警告する「市場の大混乱を悪」とした。この結果は衝撃。(参考WEB)。つまり米国民は、選択を迫られればデフォルトを選ぶという事だ。これは政権のスタンスではないが、共和党にゲームのエッジを渡しかねない重大な結果である。

さすが米国はノンリコースや戦略的破産がスキルとして横行する国。これまで日本の金融機関が「そうはいっても」との感覚で日本人の貯金を米国債に振り向けている危険性を何度も警告してきた。それを、FAITH VALUE RISKとしてここでも紹介したが、せめてこのブログの読者だけでも、普通の米国人のこの感覚が意味するところは知っていてほしい。

ただこれまでの米国には国内に横行する徳政令を覆う成長があった。健全な米国債市場はその最後の砦だった。ところが今は成長も国債頼みの本末転倒が続く。だからFEDが買っている。こうなると本質はポンジーの末期症状。それを相対評価の格付けの愚かさと、日本や中国の行き場のない金が米国債の本質を隠してきた。そしてこの本質を隠すために、しばし日本の債務の大きさと成長率の弱さが持ち出された。(その事実はあるが)

だが日本人には借金を返す意思と、常に世界が欲しがるモノを作る魂が残っている。一方消費経済の米国では、アップル等の例外を除けば「反省だけでは明るい未来はない・・」というレーガン主義があるだけではないか。

ところでCNBCはなぜこんな危ない調査結果を紹介したのか。メデイアとしてのジャーナリズムの観点か或いはゲーム化した金融の旗振役としてボラを煽りたいのか。次の政権が共和党だと見切るのはまだ早い。いずれにしても自分がCNBCを観るヘッジファンドならこう考える。

「ならば米国債のデフォルトで儲けられないか?」ヘッジファンドに国家の威信は関係ない。彼らにとっては儲ける事がすべてだ。つまりオバマ政権の警告する市場の大混乱は、実はボラティリティ低下に悩む彼らには絶好のチャンスかもしれないのだ。

いずれにしても、共和党新聞などからは、これまで世界を繁栄に導くために米国が流した血の代償として、次は世界が多少米国の為に犠牲になるのは当然との感覚も感じられる・・。

(参考CNBC 統計)

http://www.cnbc.com/id/43564548


2011年7月2日土曜日

BIG BOY




夏のトマト栽培に挑戦して10年。ある事を発見した。日本の品種は脇芽を取れば素直に一本立ちになるが、こちらの品種は途中からどれが脇芽なのか判らなくなる品種が多い。多くは一段目の花が咲き、2段目と3段目の花が咲くころに等分に分かれてしまう。そしてそのままにしておくと花の数が多すぎ、栄養が果実にいかなくなる。どうやら旨さを追求して改良を繰り返すうち日本のトマトは日本人そのものに似てきたようだ・・。

そういえば、金融危機以降は、民主主義の形態を維持する国は、経済の衰退を迎えると右に行くか左に行くかの選択を迫られるとしてきた。その事例としてワイマール共和国を何度もとりあげた。今日のNYTの一面は体制を批判する若者のデモ行進の写真だったが、ギリシャかと思いきや英国の話だった。ワイマール憲法は優秀なドイツ人が知恵を絞って作りだした民主主義の最高傑作。ところが経済が疲弊するとドイツ人でさえヒトラーを支持するか、そうでなければ共産主義者になるかだった。やはり国が理想的にまっすぐに伸びるのは難しい。ならばギリシャでも英国でも、そしてもう少し先ではこの米国も、AUSTERITY (耐貧生活)を強制する政権に対し、政権を牛耳る金融や資本家に対し、右か左かで若い世代が暴動を起こすのは既定路線である。

そんな中で日本はまだまだ真っすぐ。若者が草食化し先進国で初めてデフレ対応国家に進化し、その上に震災まで加わった。これからは節電が美徳である。そして中国も分かれないだろう。今の共産党の支配は壊れるかもしれないが、中途半端に民主主義を導入しない覚悟があればこの国も分かれない。

まあ何が強い国で何が個人の幸せか、通り一辺倒に、民主主義だ、資本主義だと言っているのは人類が地球上の生き物として成長していない証拠。 土いじりはそれを教えてくれる・・。

(写真は米国の代表的なトマトの品種 BIG BOY)





2011年7月1日金曜日

俺の空



ヘッジファンドのオーナーの超豪邸が集まるロングアイランドのハンプトン地区。そこのATMマシーンで誰かが誰かのレシートを拾ったらしい。そしてソレをネットに投降した。レシートは、誰かが400ドルを下ろした事と手数料として2.5ドルかかった記録が残されていた。だがこれではニュースではない。実はこのレシートの持ち主は、金利が付かない個人用当座預金に100ミリオンダラーを入れていたのだ・・。


この話を聞いて思いだしたのは、70年代に密かに読んでいた本宮ひろ志の「俺の空」。そこでは旅をする主人公の安田財閥御曹司の一平が、どこでどれだけ金を使っても直ぐ彼の口座に常時100億円が補充されるシーンがあった。米国でも当座預金はそんな使い方であり資産管理の口座ではない・・。

ではこのレシートは誰が落としたのか。ネットでは持ち主はあのデービッドテッパーであるとし、CNBCもそのまま使っていた。CNBCは午後のコーナーで「彼らに課税せよ」との昨日のオバマのスピーチに則した意見を取り上げた。

そういえばテッパー氏の顔には同業のポールソン氏の様な険しささはない。どこか愛きょうがあり、彼ならレシートを落としても不思議はない。だが本人は「リーマン危機以後、一度もATMには触っていない。」と、これはこれで興味深いジョークを飛ばしていた・・。  いずれにしても、彼らには「俺の空」が続いている・・。