2011年7月8日金曜日

世論操作

今日のNYTの一面はメキシコから移民が来なくなった現象。今年命がけでメキシコから米国を目指す人の数は1950年代以来の低水準になっていると言う。記事では国内にとどまり始めた若者の話があった。彼らはメキシコの魅力が急増したというより、渡米に命をかける価値が無くなったと感じている。麻薬組織から逃れ、灼熱のアリゾナの砂漠を何とか乗り切ったとしても、そこが「別のメキシコ」だったら意味が無いということである。

以前キューバから移民が来なくなった話をした。メキシコかもら不法移民が来なくなったことは、彼らにとってのドリームだった米国の中流階級が消えつつある証明だろう。一方で不法ではなく合法的に移民するのが旧東欧諸国だ。この国ではかつてのアメリカンドリームが消える一方、社会主義化する矛盾を逆手にとるのは彼らにとっては容易いのかもしれない。

さて、今日は217000人というキーナンバーを挙げておく。この数字は2012年11月までに失業率を8%未満にするためにこれから毎月増加しなければならない「ノンファーム(非農業雇用指数)」の平均値である。(8%台以上の失業率で過去再選された大統領はいない)

ではこの数字がただの目標なのか、或いは絶対条件としてその達成のためにこの国の政治は手段を選ばないのか。今後の相場にも関係するこの見通しは日本人には難しい課題だ。

それを感じる上で、米国には日本では普通に用いられる「優秀な人」と言う褒め方がない事を触れておく。この国は「出来る人」と「そうでない人」で区別される。つまり学業優秀で真面目に努力する人だが、結果が残せなければ優秀とは言わない。

そんな出来る人が集まって戦略を練るのが政権。そこでは法律は守るモノではなく破らないモノ。そして何よりも彼らは民主主義がいかに非効率かを知っており、その彼ら束ねるオバマは彼らの使い方を知っている。

そして今政権はFACEBOOK等のソーシャルメデイアを通して世論を作り出すことに必死。なぜなら世論を作り出せなければ民主主義下の政治は何も出来ない。結果が残せないのは無能。この公式からすれば、一体何をやっているのか判らないのが日本。こちらでは企業がサクラメールで世論を造るなど取るに足らない話だが、そんな幼稚なレベルもやり切る事ができない。

このような事を繰り返し、政治が何も動かせないツケは国民が払う。これがこれまでの日本流だとして、今の日本はこんな酔狂を繰り返している場合ではない。一方で再選に向けて継続的な21万人の雇用増という目標が定まったオバマ政権。彼らが何を作り出すか。仮に経済指標が創りモノであっても、ソレで株が上がり、結果的に雇用が増えれば仕事は完了する・・。






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