2011年7月30日土曜日

危機の本質



上は最新のエコノミストの表紙。まだ記事は読んでいないが、デモクラシズムの悪い面(議会政治の悪癖)が露呈している今の西欧より、日本の方が安定しているという内容らしい。ならばついに天下のエコノミスト誌も、ノルウエーのテロリストと同じ事を言うようになったという事か。まあこれでドル円の60円台も近づいてきたということだろう。一方NYTIMESは、一面で立ち往生する米国議会と、国家が一丸となって節電に取り組む日本を並べて評している。戦前生まれの町工場の経営者は、WE ARE DOING THIS (節電)FOR JAPANといったことが、NYタイムスの記者には響いたようだ。

これも時代の流れ。日本人の単一性が悪者にされた終戦直後から、西洋が主導した成長主義の限界が露呈すると、市場原理はゆがめられ、民主主義政治は非効率な面ばかりが露呈する。いずれにしても、今の米国に一番欠けているのは愛国心である。国家に助けられたはずの金持ちは税金を払わず、甘やかされた時が長すぎた貧困層は気力を失っている・・。

そういえばナデシコが米国に勝った時、個人的には神はなぜ日本に勝たせのかを考えた。だが今は違う、実力は数段上の米国がなぜ負けたのか。神はそれを米国にメッセージとして示唆したのだろう。成長が止まるという歴史的危機に見舞われた小世界米国。今この国の本当の主役は議員ではない。彼らは代弁者に過ぎず、国民に愛国心が戻らない限りこの国の危機は去らない。

そんな中で米国にも本物がいる事が救いだ。所詮は虚業サークルの中の必要悪でしかない既存の格付け機関にくらべ、発行体から収益を得ない格付け機関のイーガンジョーンズは、代表のショーンイーガンが先ほどCNBCで米国債危機の本質を見事に解説していた。この様な本物がいるかぎり、米国は遠回りとOBショットを繰り替えしながらもいずれはフェアウエイに戻ってくるだろう。

一方の日本。世界の一流メデイアの潮流ではナデシコが勝ったモーメンタムはまだまだ続く様子。だが米国から精神的に独立しない限り、日本人自身がその意味が判らないだろう。為替相場がなぜ円高になるか。その背景はゲーム的な一時的要因と、本質的な長期的要因。日本の指導者や経営者は何をどうマネジするのか。現象に振らされる前に本質を理解すべきだろう・・。

ご連絡。次回で「真マネー原理」単体は終了します。8月より、日々のトピックスに米国の株・債券・商品の相場情報を加えた「真マネー原理プロ」(週4回/月額4000円)がスタートします。尚、このページもトピックスを中心にアップデートする予定です。



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