2011年7月20日水曜日

狂乱の20年代の再現と新土地神話




ニューヨークタイムスによれば、前回の選挙で上院議員を引退したクリスドット氏は最近グチをこぼしているらしい。愚痴とは自分の名前の付いた法案のドットフランク法について。彼は出来れば法案から名前を外してほしいと相棒だったバーニーフランク議員に漏らしているとのこと。クリスドット氏はこんな法案に自分の名前がついていると、孫が可哀そうだと考えているらしい・・。

つまり、金融危機の再来を防ぐため、昨年オバマ政権が死力を尽くして成立させたドットフランク法案(金融改革法案)は、今は見るも無残な哀れな状態(骨抜き)になっているというのである。そんな中、本日ラスベガスの著名な企業家のスチィーブウィン氏がオバマ政権を「反ビジネス」と激しく批判した。クリスドット法然り、スティーブウィン氏やドナルドトランプ氏に加え、金融によって雇われた共和党系のロビーイストは米国から全ての規制を取り外そうとしているようだ。

この状況を冷静に観ると、リーマンショックを大恐慌とダブらせたのは間違っていたのではないかとの思いが走る。もしダブらせるなら1910年前後。実はこの頃にもNYの銀行の倒産をきっかけに米国には金融危機が走った。この倒産は陰謀説が好きな人はJPモルガンが仕組んだと主張する。当時の米国はまだ建国当時の反金融の風潮が残り、そこでJPモルガンは風説を流布して金融危機を起し、米国に巨大金融資本が必要である事を知らしめる必要があったというのである。

真実はともかく、この危機をきっかけに金融の大資本化(TOO BIG TO FAIL)が促進されたのは事実だ。なによりもFEDが誕生した。そしてウイルソンの時代が終わるとハーデイング クーリッジ フーバーの共和党の大統領が連続して登場。これが20年代だ。この時代は世界大戦後の復興外需と国内の規制緩和で米国の景気はすこぶる良かった。だが一方で米国はデタラメになりすぎた・・。

近々HBOでシリーズ第二段が始まるBOARDWALK- EMPIREは、この時代にアトランティックシテイーを東海岸を代表する歓楽街へ変貌させた実在の州の財務官(トレジャラー)が主役。彼は禁酒法ができた事で逆にモラルが崩壊していく時代を象徴する人物だ。彼はハーデイングの選挙参謀を務めるかたわら、上級地方公務員の特権で酒の横流しで儲け、更に公金でホテルに住む。そこに愛人を囲い、都合の悪い人間はカポネなどのギャングを使い殺す。だがニュージャージーは潤った・・。(冒頭の写真は有名なラッキー ルチアーノやホワイトソックスに八百長をさせたアーノルドロスタインなどとテーブルを囲む主人公)

事実としては彼は告発され刑務所で人生を終えるが、今オバマを批判し、大統領選挙に出る出ないと騒いだトランプ氏や、今日のスティーブウィン氏の口上を読むと、この主人公が前シリーズで言ったセリフを思い出す。もしかしたら、ドットフランク法も近代の禁酒法になってしまうかもしれない。これで次の大統領が共和党から出ようなら、バーナンケ議長は大恐慌を心配する前にモラルを失った20年代の再現を意識する必要があるだろう。

ところで、今日はヘッジファンドが米国内の農地を買い漁っている状況も報告された。2010年からの1年で中西部の農地の値段はなんと15%の値上がりだという。同じ期間に住宅価格は下がった。街の住宅価格が下落し、一方で広大な農地が15%も値上がりする状況とはなんだ。かつて狭い街場の平地を巡り土地神話を経験した日本人は想像できるだろうか。これがバーナンケFEDによる一時的バブルならいずれ農地の価格は下がる。だがそうでない場合、日本のバブル崩壊よりももっと恐ろしい事が待っている可能性を秘める・・。



http://www.hbo.com/boardwalk-empire/inside/extras/download/wallpapers.html#/boardwalk-empire



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