一部の欧米人の間で長らく待ち望まれたラテン語の大作が近々英語として英国で出版されるという。本の題名は「ANNALS OF THE WORLD」。1600ページの大作らしいが作者は1650年代の英国国教会司教のJAMES USSERと言う人である。本の題名は直訳では「世界年史」とでも言うのが正しいかもしれない。そしてこの本を取り上げた理由はJAMES USSERが本の中で世界には誕生日があるとした点に注目したからである。その誕生日は紀元前4004年の10月23日。ならば今年の10月23日で世界は6012年の誕生日を迎える事になる。そこで明らかになっている内容の一部を紹介すると、聖書に軸を置きながらエデンの園やローマによるエルサレム支配など、聖書と関わりが深い話から、海賊によるジュリアスシーザー捕縛事件やアレキサンダー大王の海中探検など多岐に渡る模様。ウィキペディアのJAMES USSER記述には彼はアイルランド人司教でありながら母国から英国に渡ったとされ、その後述からは当時英国で起こっていた宗教の多様化による変動の過程でその知性を磨いた事が窺える。
では改めて6012歳を迎えた今の世界を米国から眺めてみると、まず本日の共和党広告には米国の国土の地図に安売りのタグが付いた記事がある。これはオバマ政権の政策への批判だ。共和党保守派にとってはドル安政策から中国との貿易協定に加え、アフガン問題、また核の無い世界への呼びかけまでもが「米国の安売り」にされてしまう。そんな中でオバマは来月日本に行く。だがその一方でホワイトハウスは11月にインドのシン首相を招いてオバマ政権としては初となる「STATE DINNER」を計画している。そもそも「STATE DINNER」は日本語では「公式晩餐会」と訳される事もあるが、米国には格下の「OFFICIAL DINNER」もあり、日本語での理解は難しい。小泉総理がブッシュに招かれた際の記事を見直すと「STATE DINNER」との表現もあれば「OFFICAIL DINNER」との表現もある。ただ写真や記事から判断すると、国力に関係なく、米国側が招いた国賓が対象である事が窺われる。そして政権発足後多くの国賓クラスが既に米国を訪れた中、インドのシン首相がこの名誉を授かるのはオバマ政権がいかにバランス重視かが判る。米中が接近する中、中国をライバルと考えるインド。またインドとパキスタンとの緊張は過去の話としてもアフガニスタンを抱えてパキスタンをより重視しなければならない米国にとってインドとの友好関係は重要な課題だ。だがあまりにもバランスばかりに気を取られると傍からはただの「八方美人」に見える事もある。
そして米国が平和への「八方美人」を演出する中、もし米国が「京都議定書」を見直すならば、減収が確実となるサウジは資金提供を要求すると言いだした。この発言は米国が協調での問題解決を試みる中「もたれ合い」に便乗する国の登場を感じさせる。そもそも今世界はブッシュの米国が終わった安堵の中だ。ただ結果的にその反動でオバマへの期待も大き過ぎる。だが現実との乖離をこのままにしてはオバマ政権も前に進む事は難しい事が早晩明らかになるだろう。そしてその強調ムードが終わる時が次に相場が大きく動く時である事に疑いはない・・。
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