残念がらあの小泉元首相にも焼きが回った様だ。なぜなら彼は普天間と献金疑惑を理由に「このままでは鳩山政権は参議院戦まで持たない」などと発言した事が本日朝日新聞で報道されている。これは次の二つの理由で彼の失点になる。
まずはこの程度の事で日本国民が先の選挙で下した政権交代の判断を簡単に否定する可能性を自ら口にしてしまった事。先月の米国の知事選が然り。絶好調だった民主党が惨敗した様に、確かに中間層が消滅した先進国の民意は簡単に変わる。元首相はその辺りを意識しているだろう、また鳩山首相の献金問題はあまりにもお粗末なのは事実だ。だがそれを今の段階で小泉元首相が口走るのはどうか。日本人は米国人よりも我慢強いはず。ならば自民党が復活に値する価値を持ち始めたというならともかく、まだ時期尚早の今あれほど人気があった元首相がそんな発言をするのはあまりにも自民党を惨敗に追い込んだ民意を馬鹿にしている。
そして失点二点目は、元首相は「これでは米国との関係が持たない」と米国一辺倒の本音を漏らしてしまった事である。今の日本は米国との関係を冷静に考えるべき時。普天間はその覚悟が試される案件だ。だれも米国との喧嘩を望んではないが日本があまりにも米国一辺倒だった歴史に様々な角度から再考を促すトレンドが始まっているのも否めない。だとすれば首相はそのトレンドを無視した。この判断は冷静な分析というより元首相の本性が出たというべきだろう。
そこで改めて指摘したいのは10月23日にこのブログで書いた内容。タイトルは「大統領令の乱発」。そこでは米国の現政権のスタッフの過去を取り上げた。そして着任早々広島に直行しNHKでは原爆の被害者たちに涙を流したルース新駐日大使は本日「日本は普天間で約束を守らない」と顔を赤らめて激高したという。断っておくが在米15年の経験からこのレベルの優秀な米国人が我を忘れて激高するなどという事は絶対にありえないと断言できる。NHKでの涙は親近感を誘うため、そして激高は圧力をかけるためのパフォーマンスである。やはり彼は百戦錬磨の有能な弁護士だった。
いずれにしても国益を巡る攻防がいかなるものか、騙されやすい日本人もそろそろハリウッド文化の本質を知る時が来た。その意味で日本人離れしたパフォーマンス能力の持ち主だった小泉首相は己の技におぼれたのかもしれない。あのタイガーウッズでさえ完璧ではなかったように彼も出番を間違えた様に思える・・。
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