2012年5月31日木曜日

笑いすぎた彼女


http://www.nytimes.com/2012/05/30/business/global/as-global-rivals-gain-ground-corporate-japan-clings-to-cautious-ways.html?ref=global
オックスフォードを卒業した添付の若者は、見るからに賢そうな顔をしている。ところが彼は就職を希望した日本の大手金融機関から、セミナー後の面接のオファーはどこからももらえなかったという。彼も含め、添付のNYタイムスの記事には、欧米の一流大学を出た日本人の若者が希望の日本企業に就職できない現状が紹介されている。中には、面接官に「君は笑いすぎる・・」と言われたブラウン大学卒の帰国子女の話もあった。


記事を書いた日本人女性記者はこの現状を批判的に考えているようだ。彼女自身はロンドン大学スクールオブエコノミクスからWSジャーナルを経て、今はNYタイムスで記事を書いているとのこと。恐らく彼女は海外教育を受けた若者が、今より有利だった時代を経験したのだろう。当然個人の能力差もあるが、ただこれもトレンドである。多くの日本企業にとっての主戦場がアジアに移る今、欧米の教育に嘗てのような神通力がないのは仕方ない。

想像するに、ハーバードでは、あのサンデル教授が哲学の授業をする同じ構内で、経済学部のマイロン教授は「麻薬は早く合法化すべきと」激を飛ばしている事になる。この選択の自由がアメリカらしいところだが、金融危機以降に欧米の金融が見せた醜態は、日本人にはその根源とも言える欧米の感覚が最早モデルにはなりにくくなっているのも事実だろう。


記事には東京三菱ファイナンシャルグループの採用関係者の話が‘ある。そこでは「我々は(会社に対し)長期にコミットできる人材を求めており、短期利益を重視する人材はいらない」とあった。強欲が招いたリーマンショック・・。衰退を晒す欧州危機・・。今日本の若者が海外に出ないのは、この様な欧米の魅力が落ちた事とも無関係ではないだろう・・。


2012年5月25日金曜日

新人研修向け資料

<新人研修向け資料>

http://www.youtube.com/watch?v=PW-h2rERz5g

上の添付は今こちらで流れている US女子サッカー代表を使ったタイヤのCM。この会社はロンドンオリンピックの米国女子の公式スポンサーだ。試合のシーンはすべてJAPANとの試合。相手がナデシコなのでやや迫力に欠けるが、こんなCMが流れるということは、米国はナデシコを倒しに来ている証拠だろう。

このように、日本のサッカーは本当に強くなった。ただ日本は技術力で勝負するしかない。そこは経済と同じ。野球のWBC、上野のソフトボールも金メダルを取ったが、チーム全体が力でねじ伏せたわけではない。やはりパワーとスピードでは日本は勝てないのか。

いやいや思い出せば、70年代、日本の男女のバレーボールは力で世界をねじ伏せていた。ミュンヘンで大古は「世界の大砲」と言われ、モントリオールで、白井を擁した日本の女子は決勝でソ連を蹴散らした。恐らくこの頃は、スポーツもサラリーマンも、日本人にもっと馬力があったのだと思う。

そんな中、東京は再びオリンピック招致に挑戦している。ただ安全が売り物だった日本も変わった。肩が触れて喧嘩になるのは驚かない。しかし普通の男が、普通にサバイバルナイフを持ち歩いているらしい。本来は自衛のためらしいが、持っていれば使いたくなるのは弱い人間の傾向。いずれにしてもこの様な犯罪の増加は、日本人男性の弱体化と無関係ではないだろう。

そこで資料を添付した。70年代、日本の馬力を支えた団塊の世代が徐々に引退し、若い男子が草食化する今の日本では、ミュンヘンとモントリオールで日本が世界を力でねじ伏せた金メダルの映像は貴重な資料だ。YOUTUBEに感謝。 人事関係者は新人研修で使った方がよい・・。

<ミュンヘン五輪 男子金メダル>
http://www.youtube.com/watch?v=geQfwFlhW14

<モントリオール五輪 女子金メダル>
http://www.youtube.com/watch?v=rdKRymc9Ajs

2012年5月24日木曜日

民主主義の子宮


よく考えてみると、この国は国民に最も人気があったリンカーンとケネデイーの二人の大統領を死なせた国だ。リンカーン暗殺は今となってはその真相究明は難しい。しかしケネディー暗殺では、真実はともかく、国家機関のFBIのフーバーやさらには大統領になったジョンソンの関与説まで、普通にそれなりの数の米国民が疑っていない。にもかかわらず、いまだ世界の多くの人は、米国を理想の民主国家と考え、中には正義の国としていまだに崇めている・・。

その代表がどこかは言うまでもないが、オバマ政権は経済で中国を非難する一方、実際は中国に米国債の裏口入札の権利を与え、金融市場では、実績は最も正しく、更に厳正な格付けをしていたイーガンジョーンズを選挙戦が佳境になるといちゃもんをつけて威嚇した。ならばその米国で、インチキで腰ぬけ格付けの実績は十分であるムーディーズが、この状況のモルガンスタンレーを格下げするだろうか。その勇気があるかどうかまさに見ものだ。

この全てが国策として仕方がない事は知っている。しかしここまで来ると、さすがに個人的にもオバマ政権を応援する気は失せた。その最たるものが中国の盲目の活動家の陳光誠氏に対しての一連の行動。政権のアジア担当のキャンベル氏が、陳光誠氏の手を仰々しく引いている写真は最近観たもっとも下品な写真として目に焼き付いている。

本来なら米国にとって陳光誠氏は重要人物ではない。ところが選挙が近づき、中国に対する毅然とした態度と民主主義の大義を演出する必要があるオバマ政権は、この盲目の活動家に対し過剰な対応を余儀なくされた。では本日パキスタンから届いたニュースにオバマ政権はどう反応するのだろうか。日本人はよく見ておくべきだ。本日パキスタンは政府は、米軍特殊部隊によるビンラディン急襲後、米国の要請でビンラディンのDNAの確認を行ったパキスタン医師を国家反逆罪で投獄した。何と禁固36年だという。

オバマ政権は自国の為に尽くしたこのパキスタン医師をどうするのか。今米国人のパキスタンに対する関心は薄れている。むしろビンラディンをかくまっていたのではないかという不信感の方が強い。ならばオバマ政権にとってこの医師にかかわるのは時間の無駄かもしれない。もし見捨てるなら、それがオバマ政権の人権主義の限界であり、今の米国ということになる。

嘗てチャーチルは、米国の民主主義を、「紆余曲折いろいろあるが、それでも最後はあるべき姿に戻ってくる・・」と評した。だが当時の米国には、今よりも確かなHuman Decencyと、原理原則を重視する価値観が存在した。そして何よりも、中間層が拡大していく豊かさがあった。個人的にはこの豊かさこそこの国の民主主義の子宮だったと考えている。ところが今の米国は、中間層が空洞化し、1%の金持ちと99%の自称貧民層が多数決でしのぎを削っている。それでは選挙戦はますますアグリーになるだろう・・。

そんな中、あのオバマでさえも埋没した今の姿を観ると。逆に言えばリンカーンとケネデイーは埋没を拒んだ可能性を感じる。彼らには国民の人気という最大の武器があった。ただそれは民主主義の構造だけを自分のために利用する勢力には厄介である。いずれにしても、今のこの米国の構造でも、チャーチルが考えた民主主義の本質は存在するのだろうか・・。

2012年5月22日火曜日

笑う門には福来る(真マネー原理プロから)



これまで米国ではワシントン以外の都市でNATO会議が開かれた事はない。その慣例を大西洋に面していないシカゴが破った。そのせいもあり、シカゴの対応は異例ずくめだった。

CBOTのメンバーになって18年、今回ほど事前の警備が厳しかった事はない。こんな厳格な審査は現役大統領のブッシュがフロアーに来た時もなかった。それもこれも市長のラムマニュエル氏の剛腕からだ。

彼は昨年ニューヨークで発生した反ウォール街の運動が全米の都市に波及する過程でも、NYのブルーンバーグ市長が穏便に対応していたのに対し、最初に強権的に若者を逮捕した。このあたりはマニュエル市長の性格がよく出ていた。

一方で彼の友人、オバマ大統領も忙しい。G8からNATOまで、重要会議が目白押しだ。ただ添付写真を観る限り、平和な時代を享受したベービーブーマーが中心の先進国の政治の本質がうかがわれる。

キャメロン首相の無邪気な表情といい、チェルシー優勝を見つめるオバマ、メルケル、オランドの顔は、今の時代と、彼等がおかれている境遇の特徴がよく出ている。

週末、NHKでは一般向けにギリシャ問題の悲観論をやっていたが、本当に危機なら彼等にこの表情はありえない。つまり、今の先進国の結論は、最後は「 dont't worry be happy」である。

それにしても、週末の平幕優勝には驚いた。それは旭天鵬だけでなく、今年のチェルシーも「平幕」だった。

個人的には英国チームでは文句なくチェルシーファン。だが今年のチェルシーはプレミアリーグで6位。それもマンチェスターの2チームとはポイントで30点も離されていた。これでは平幕である。

そのチェルシーが、FAカップに続き、チャンピオンズリーグまで勝ってしまうのだから不思議だ。

既にモウリーニョの頃の圧倒的強さはない。では一体チャルシーに何が起きたのか。そこで出した結論は「人相」。笑う門には福来り。途中から暫定監督になったディマテイオ氏は「いい顔」をしている。

これで運気が変わったのではないか。ソレは、これまで大金を湯水のように使ってもチャンピオンズリーグを勝てなかったアブラモビッチオーナーが一番感じているはずだ・・。

2012年5月18日金曜日

沖縄返還記念日 (マネー原理プロ抜粋)


ところで、先日岩國哲人前議員から、中国の大学生の話を聞く機会があった。そこで、沖縄返還記念日の本日、「国防と國防」を考えた。前議員は中国の大学での講義の際、「くに」は、「國」か「国」のどちらが正しいかという話になったという。

言うまでもなく、中国の学生は普通の日本人よりも漢字に敏感である。すると、皆が「くに」は國が正しいと答えたという。

「國」にはタテとホコで囲い守る意味があり、「国」は玉を囲う意味があるという。つまり「國防」は武器を持って戦う意味。そして「国防」は玉、つまり「お金」を囲い守る意味だという。

中国の大学生は「くに」は國でなければならないと考えているという・・。(尖閣諸島の保全には覚悟がいる)

なるほど。では日本はどうか。沖縄を考えるまでもなく、日本では誰も「國防」とは考えない。ならば「国防」はできているのか。

この仕事からは、それすら盤石とはいえない・・。



参考 <鉄の大嵐>2011.11・03のブログから 


米国ではバトルオブオキナワを、Typhoon of Steel(鉄の大嵐)と呼ぶ。この言葉の響きから、米国の歴史で沖縄戦がどう伝わったかをまず日本人は感じるべき。(停泊中の米国艦にカミカゼが体当たりした)
太平洋戦争末期、沖縄がいかに悲惨な目に会ったか。本土で暮らす普通の日本人は、普通に知っている。筆者もその一人だった。だが米国生活が長くなり、自分が沖縄についてどれほど無知だったかを知った。

米国で沖縄は特別な存在である。昨年HBO(有力ケーブルテレビ)はスピルバーグ/トムハンクス制作の「PACIFIC」を放映した。番組は数々の賞を取り、ここでも触れた。ガダルカナルからミッドウエー海戦。さらに米軍の死者が日本軍を上回った硫黄島。そしてクライマックスの沖縄へと消耗していく中、実は沖縄戦は、日本が敵の大将首をとった戦いだった。

沖縄上陸の前に勝敗は決していた。だが米軍18万に対し、日本軍10万が最後の抵抗を試みた。日本軍最高指揮官の牛島満は、沖縄県民の避難を考慮したとされる。ところが本土までの輸送が不可能と判断され、逆に県民は残された楯になってしまった。結果9万の日本兵(つまり9割)と、最大15万人の沖縄県民が死んだ。しかし、米軍も司令長官のサイモンバックナー将軍が日本兵の機関砲の前に死んだ。彼は米軍戦死者の歴史で、現役兵だった人としては現在も最高位である。

司令長官を殺された米国の衝撃は大きかった。これが最終的に広島・長崎につながっていくとして、米軍死傷者は全軍18万人のうち6万人。この死傷者と、イラク戦争後に有名になった後遺症(Combat stress reaction)48%は今も米軍史上で最悪の数字である。これが米国にとっての「オキナワ」である。

これほどの犠牲を払った沖縄を、米国が簡単に手放す事はない。一方本土で安穏と暮らす現代の日本人のどれほどが沖縄が受けた衝撃をイメージできるだろうか。米軍に守られるのを当然と考え、沖縄は基地による経済効果があると多くの日本人は冷めている。だが日本人の沖縄認識がこの程度なら、日本はプエルトリコのような米国の特別保護区に格下げされるのがふさわしい。その方が民主党のいう「国益」に合致してるかもしれない。

日本にずっといたら、筆者自身ここまで沖縄に気を使うことを疑問に感じただろう。だが今は日本人として自分の無知を恥じている。沖縄は独立国として中途半端な安穏を優先した日本を選ぶか、苦しくとも、独立する気高さをもった日本を選ぶかの、日本人としての試金石だろう・・。








Memorandum
To: Supporters, Interested Parties

From: Jesse Benton, Chief Strategist

Date: May 15, 2012

Re: Paul Campaign Convention Strategy

Every day, I see firsthand how humbled and encouraged Dr. Paul is to have the enthusiastic support of so many who are committed to revitalizing our country.

Let me be very clear. Dr. Paul is NOT dropping out or suspending his campaign.

As Dr. Paul has previously stated, he is in this race all the way to the Republican National Convention in Tampa this August.

And he is deeply grateful for every resource he has been entrusted with to run an historic campaign that continues to defy all expectations.

Looking ahead, our campaign must honor that trust by maximizing our resources to ensure the greatest possible impact at the National Convention.

So while our campaign is no longer investing in the remaining primary states, we will continue to run strong programs at District and State Conventions to win more delegates and alternate delegates to the National Convention.

To this end, our campaign has several positive and realistic goals:

1) Having recently WON Maine, we believe we can win several more states.
2) We will win party leadership positions at both the state and national levels.
3) We will continue to grow our already substantial total of delegates.

We will head to Tampa with a solid group of delegates. Several hundred will be bound to Dr. Paul, and several hundred more, although bound to Governor Romney or other candidates, will be Ron Paul supporters.

Unfortunately, barring something very unforeseen, our delegate total will not be strong enough to win the nomination. Governor Romney is now within 200 delegates of securing the party’s nod. However, our delegates can still make a major impact at the National Convention and beyond.

All delegates will be able to vote on party rules and allow us to shape the process for future liberty candidates.

We are in an excellent position to make sure the Republican Party adds solid liberty issues to the GOP Platform, which our delegates will be directly positioned to approve. Our campaign is presently working to get several items up for consideration, including monetary policy reform, prohibitions on indefinite detention, and Internet freedom.

Finally, by sending a large, respectful, and professional delegation to Tampa, we will show the party and the country that not only is our movement growing and here to stay, but that the future belongs to us.

Dr. Paul will begin this new phase of the campaign this Friday by speaking and holding several events at the Minnesota State Convention. He has also recently accepted an invitation to speak at the Texas Convention, and we are busy scheduling appearances around other State Conventions later this month and into June.

As Dr. Paul stated in his message yesterday, this fight is NOT over. We will continue fighting and expanding, and“we will not stop until we have restored what once made America the greatest country in human history.”

But for Dr. Paul’s efforts in the remaining State Conventions to be successful, and to ensure we get as many Ron Paul delegates to Tampa as we can, he needs you to continue standing with him.

Along those lines, as you probably already know, the grassroots are holding a Money Bomb on Thursday, May 17. Any money raised from that Money Bomb will go toward winning delegates and finalizing our plans for Tampa.

As those plans for the National Convention come together, we will make sure all of our delegates, whether bound or unbound, get the information and aid they need.

Your support on May 17 will also help us reach more Americans with the solutions we know can restore our nation. Each person we add to our cause strengthens our movement for the critical work that awaits us beyond Tampa.

Dr. Paul, John Tate, myself, and the entire campaign staff know what incredible sacrifices have been made by each of our supporters.

Thank you for all of your hard work and your dedication to liberty. Together, we will champion Ron Paul and his message in Tampa, and we will lay the groundwork for future victories.
           


2012年5月15日火曜日

武士という市場原理


清盛が面白くなってきた。だが視聴率が回復する気配はないという。この面白さが伝わらないのは残念。仕方がない。この時代、日本は今と同じ平和ボケだった。だから面白さが伝わらないのだろう。

NHKには視聴率よりも大事な使命がある。NHKは今の視聴者のレベルに合わせるのではなく(それは民放の仕事)、このままいけばよい。

ところで、添付した資料はJPモルガンのディリバティブの内訳である。今話題の損失の本質は今某メディア向けに執筆中。ただもし概要が知りたければ、真マネー原理プロにも一部載せた。

この表を観ると、JPのデリバティブの総額は圧倒的である。こちらで今のJPモルガンを観ていると、その力は清盛の頃の平氏に似ていると感じる。我が世の春・・。

しかし平氏は最後は皇室の権威の前に消滅した。直接倒したのは源氏。だが、それを操ったのは後白河法皇だ。

今回の大河は、彼まで到達する過程の皇室の持つ権威の魔性の描き方が斬新で良い。だがそれは一般にはドラマとしてつまらなく思えるのだろう。

妻にはそんなところに注目するのはおかしいと言われた。だが一方で彼女もここまでの展開で、切腹がない、死罪がないことは気づいていた。そう、この時代は死罪が殆どなかったのである。

平安時代、朝廷が都で死刑を断行したのは800年代の薬子の変が最後。その後は反逆をしても死罪はなく、せいぜい流罪。そんな時代が350年も日本では続いた。(義家の東北など、地方征伐は別)

清盛の平氏はその延長の武士であり、時代の最後。それを倒したのは野蛮な源氏だった。

そもそも市場原理は野蛮でなければならない。欲と欲がぶつかり、強者は弱者を殺す。必要とあらば親兄弟を殺し、人前で腹も切る。源氏の野蛮さには市場原理と同様の強さがある。

80年代までの米国市場にもこのような野蛮が溢れていた。kill by sword, killed by swordだ。ところが銀行証券の堺がなくなり、金融市場は貴族なのか、武士なのか判らない市場になった。

すると、間違いを犯しても、命まで取られる事はなくなった。金融危機後、圧倒的な力を持ったのがJPモルガンと、ジェイミーダイモン会長である。

会長はFEDの権威を無視し、規制強化をもくろむオバマ政権に公然と反抗した。

「イフ」で平氏の存続だけを考えるなら、清盛は頼朝や義経を殺さなかった事を悔むのではなく、本来後白河法皇と朝廷を潰すべきだった。時代はまだ平安。当時の彼には十分できたはずだ。だが清盛はしなかった。

一方旧約聖書では、堕落した人間に怒った神が起こした大洪水を生き残ったノアの末裔は、いつのまにか神を侮るようになり、ついには神をも越えようとバベルの塔を積み上げていった。だが神が言葉を与えると、あっけなく崩壊したという。

これも、神(宇宙)という市場原理の力だろう。逆に言うと、日本に市場原理が必要かどうか。それは聖書の代わりに1500年続く皇室を持つ日本の大きなテーマでもあろう・・。

2012年5月12日土曜日

新・一家に一台

昔、「一家に一台」とは、車 テレビ 冷蔵庫などを言った。ではこれからは何だろう。

もともと原発問題に興味はなかった。だが今は原発は廃止してもよいと考えている。理由は環境問題ではなく、新しい商品を生むのではないかと考えるからだ。

NHKで「コジェネ装置」の特集をやっていた。自家発電機と、その熱を他に使う複合装置らしい。既にキリンビールなどの大企業が工場に導入を始めたという。ではもしこれが一家に一台あったらどうだ。燃料は住宅のタイプによって変えればよい。実現すれば、原子力発電はいらないのではないか。

それどころか、既存の電力会社は存亡の危機になるかも。だが、それぐらいの刺激が日本の電力会社には必要かもしれない。

一方でテレビの開発にいくらお金をかけても、今の日本(人)の発想力で、アップルやグーグルが繰り出す商品を超える独創性を生み出す性可能性は低いのではないか。


ならば日本は「一家に一台タイプのコジェネ装置」の開発に注力したらどうか。これこそ日本の得意とするところになるはず。その必要(新商品)を喚起するなら、原発は止めてもいい。

大統領の聖域

さて、同性愛まで認めたオバマに不安を感じる。この不安は、同性愛に対するこの国の歴史と、大統領としての原理原則のバランスについて。

そもそも米国の大統領には同性愛者だったとされる人がいる。リンカーンの前任者のジェームズブキャナンである。彼は歴代大統領の人気調査では最低ランクの常連である。ただそれは彼が同性愛者だった?という理由ではない。低評価の背景は、分裂していく国家に(その後の南北戦争を指す)何もできなかったという理由だ。

ただしブキャナンは、大統領として同性愛を認めた記録はない。つまり個人の趣味と、大統領としての原則は区別していた。ところが人としては尊敬に値すると考えるオバマが、大統領としては原則の域を出てしまった。不安とはこの事。

今のオバマは自分で自分のグリップを握っているのか。もし選挙ために本末転倒になっていくなら、残念というより、不安だ・。


注:添付は5月10日の最新のオバマ/ロムニーの勢力。先週から変わったのは、オハイオに次いで重要なフロリダが、ロムニー優勢からニュートラルになっている・・。

2012年5月9日水曜日

バス事故はサウスウエスト航空を見習え(真マネー原理プロから)

NHKでバス事故の特集をやっていた。安い深夜バスは便利だが、やはり問題も多い。そして竜巻の被害。こちらで竜巻の猛威を知ってから、天災に見舞われる日本も、竜巻だけはなくてよっかたと思ったが、そうもいかなくなった・・。

ところで、今朝はアメリカはやはり違うと実感する。まずCNBCは、ボロボロの欧州より、フェイスブックの上場を話題にしている。脇役として、バフェットとビルゲイツが花を添えている。バフェットはいつもように「一般の投資家は、日々の事に一喜一憂するな」と苦言。つまりそれは現象でなく、本質を観ろという事だが、ソレが出来たら皆がバフェットになる。

一方ビルゲイツは、後輩のザッカーブルグ評を求められ、「マイクロソフトとフェイスブックはやっている事は違うが、彼も長時間働くのが好きで、そのせいでハーバードをドロップアウトしてしまった。確かにそこは似ている。ただ一番似ているのは、ビジョンを持っている点だろうと言っていた。

ここも普通の日本人には難しい。ならば日本はアメリカを真似ていけないのか。個人的結論はイエス。だが真似るべき企業もある。その代表が「サウスウエスト航空」である。下にその紹介をウィキペデイアから抜粋した。

サウスウエスト航空(サウスウエストこうくう、英語: Southwest AirlinesNYSE:LUV)は、アメリカ合衆国テキサス州ダラス市を本拠地としている航空会社である。
1967年、エア・サウスウエストとしてテキサス州で設立され、1971年に3機のボーイング737を使用して運航開始した[2]。その後、航空自由化政策(ディレギュレーション)とともに自力で路線網を少しずつ拡大したことに加えて、いくつかの格安航空会社を買収することでも路線規模を拡張しており、全米に路線網を持つ大手航空会社となった。2009年の年間輸送旅客数は航空業界では世界最多となる約1億133万人である[3]格安航空会社として知られ、後述するように徹底した人件費以外のコスト削減等が図られ、収益率は他社より高い[4]1973年以来、アメリカの景気の動向に関わらず黒字運営を続ける[5]全米で数少ない航空会社の1つである。また、ポリシーの1つとして「社員第一、顧客第二」を掲げており[6]、アメリカの航空会社で唯一、アメリカ同時多発テロ事件以降もレイオフを行っていない大手航空会社でもある[7][8]日本での一般的な知名度はほとんどなく[9]、格安航空会社の代名詞であることや機内サービスのピーナッツ、ユニークな客室乗務員などの断片的なイメージが言及されているに過ぎない[2]が、航空ファンや航空関連ライターからは「アメリカ最優良航空会社」[10]や「世界最強のLCC(ローコストキャリア)」[5]、「現時点における理想のエアライン像」[8]とも評されている・・

続きは下のウィキペデイアを参照。これは必読。そこには大変なバス事故を経験し、サービスと安全の限界点にどう挑むかが問われている今の日本に参考になる話がいっぱいある。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%82%A6%E3%82%B9%E3%82%A6%E3%82%A8%E3%82%B9%E3%83%88%E8%88%AA%E7%A9%BA

更に金融の立場から付け加えるなら、この会社は燃料費削減で、サービス産業の域を超えたリスクマネジメントの体制をもっていることを取り上げたい。先日同社のトレーデイングチームの特集があった。格安航空会社の地味なイメージの一方で、ここの人材はウォール街に劣らない精鋭がいた。彼等は市場で儲けることは仕事ではない。ヘッジだけを追求し、変動するオイル市場のコストを社内で吸収している。その達成率は80%にもなる。この点も、日本の輸出関連企業が、為替の変動をあきらめているか、ヘッジファンドのせいにするか、あるいは政府日銀に泣きついて点と大きな違いである・・。
いずれにしても、バフェット ビルゲイツ ザッカーブルグ、そしてサウスウエストには共通点があった。サウスウエストは、「運賃が安く、定時運航率が優れていて便数の多い航空会社なら成功する」と予測した[12]。キングと一緒にビジネスプランや運航パターンについて検討を行い[13]、店舗に備え付けの紙ナプキンに書きなぐった[13]。このときの紙ナプキンは、ダラスの本社に額に入れて飾られている・・(ウィキペデイアから抜粋)」という。

共通点とはビジョンである。無論そのビジョンが常に正しい保証はない。だが違ったビジョンがあれば、ソレを新しいビジョンが倒して米国はここまで来た。今朝は、欧州の話題をあしらっている米国に、日欧にはないビジョンのダイナミズムを感じる・・。

2012年5月8日火曜日

日米関係の基本




日本とアメリカの出会いを黒船来航とするなら、あの唐突な折衝は、今日まで続く日米関係の特徴を示唆していたかもしれない。

いうまでもなく、当時の日本にとってアメリカは新しい相手だった。アメリカもモンロー主義明けで、外国との関係構築に欧州列強のような手順を踏んだようには思えない。

イギリスは、本国に強力な金融資本のバックを持つ有力商人がまずは市場を開拓したが、当時のアメリカにそんな金融資本はなく、海を挟んだ隣国としていきなり国家が乗り込んできた

そして、日本は巨大国家へ進み始めたアメリカの、国としての強大な力をいきなり叩きこまれた。個人的には、 この出会い方は、その後日米関係の基本を決めたと思っている。

いずれにしても、その時代からすると大統領選挙も様変わり。添付はこのままオバマ対ロム二‐の一騎打ちになった場合の現在の勢力図。ただ、まだ誰かが加われる可能性はある。一部で言われているがブルーンバーグニューヨーク市長だ。(未定)

仮にそうなったら、黒人のオバマ。モルモン教徒のロムニー。ユダヤ系のブルーンバーグという顔ぶれ。今の我々には違和感がないが、アメリカの歴史からすれば前代未聞だ。

アメリカは日々変化している・・。


2012年5月4日金曜日

富と雇用  (真マネー原理プロから)


今日の雇用統計で思い出したのは、ヘンリーフォードはやはり偉大だったということ。彼のおかげで庶民まで車が買えるようになり、組み立てラインの発明で、大勢の労働者が必要になった。

車社会が生まれたことで、アイゼンハワーは米国に高速道路網を創った。これらは戦後の米国の需要の根幹だ。そしてその影響はミシガン湖の周りの工業地帯(RUSTBELT)に向かい南部の黒人の大移動を喚起した。

その過程で生まれたのがジャズやブルース。つまりフォードを起点とする第二次産業革命は、我々がイメージする偉大なアメリカのスタートだった・・。


エコノミスト誌によると、今は第三次産業革命が始まったという。簡単にいうと、工業製品のデジタル化。ただこの革命では、雇用はその商品が生まれた場所では生まれない。その象徴はアップルのiPAD。

2年前に499ドルで売り出されたiPADのコストは何と33ドルだという(エコノミスト誌)。それも組み立て地の中国に落とした経費はわずか8ドル。アップルはこの利潤をiTAXで会社に戻す。

そこでは本社のあるカリフォルニア州に地方税が落ちることもなく、国内ではデジタル技能者以外の雇用を喚起することもない・・。

雇用も含め、英国の紡績(第一次産業革命)とフォードの車(第二次産業革命)は英国と米国に富をもたらした。では爆発的雇用を生まない第三次産業革命の恩恵を米国人はどうやって受けとるのか。

今のところイメージできるのは、アップルの株を買うことだ。ただ金融を救うために米国は流動性を増やした。その結果、アップル株は「買い」だが、600ドルが適正価格なのかの判断は誰にもできない・・。

オバマ政権は様々な功績にもかかわらず、雇用の数字に苦しんでいる。7%を超えた失業率で再選された現職はいないというが、それはヘンリーフォードから金融危機までの時代としては当然。だが今の第三次産業革命期にそのジンクスを当てはめる整合性は乏しい。

ただそんな事は選挙には関係ない。ならばオバマ政権もギリギリの手段を使うのが当然。添付のチャートは、今日発表の失業率を8.1%まで下げたからくりである52万人が失業率算出の基になる労働人口から減った。

この数字をいじくるのはクリントン政権からの特徴だが、88419(千人)の労働可能人口は、ヘンリーフォードの時代をひっくり返す印象である。(この数字を減らせば失業率は下がる。クリントン政権は96年にこの定義を変え、またオバマ政権をその定義を狭めた)
 

最後に、今が第三次産業革命の最中として、今の過剰流動性と、ヘッジファンド主体の市場において、一般にはその恩恵を受けるのが非常に難しいと言える。

デジタル革命では「昨日のヒーローが明日には廃業する」ことが普通に起こる。昔なら産業を守ることは国家の仕事だった。しかし今の革命では、国家は古いスターを守るのではなく、新しいスターを誕生させる事を優先するという(エコノミストから)。

これは、実感としてブラックベリーからiphoneへの変遷。さらにグーグルからフェイスブックにスターを変えようとする今の国の不思議なフォースとも合致する。

だがこのフォースが今の相場で体現された場合、一体どれだけの投資家がそのスピードについていけるのか。 今日の雇用統計は実に様々な近未来のテーマを突きつけている・・。


2012年5月3日木曜日

ゴールデンウィークの警告(相場の経験から)



こちらで飛行機免許を持つ友人が言っていた。

「 空の上では居眠りが出来る・・。」

不思議な話だが、もしかしたらそうかもしれない。

いずれにしても悲惨なバス事故の後だ。

ゴールデンウィークを無事過ごすに越したことはない。

そんな中、’ブラックスワンのリスクを探していて、

あるビデオを発見した。

リスクとはこんなことを言うのかもしれない。

乗船者、二人が亡くなったという。

マイケルジョーダン、タイガーウッズの次

http://www.facebook.com/l.php?u=http%3A%2F%2Fmlb.mlb.com%2Fvideo%2Fplay.jsp%3Fcontent_id%3D21073869&h=6AQE8FkTjAQHJ0EZqL2wQJWTxnK29K9v0jSXJv7ALMr9taw

松井がタンパに採用された。NHKのスポーツニュースで気になるシーンをみた。彼は通訳らしき人を連れていた。実力がピークならいい。だがピークを過ぎ、10年目でまだ通訳を連れているのはかなりマイナス要因になるだろう。松井がいくら黙々と努力しても、落ち目の寡黙にこの国は冷たい・・。

一方添付動画はブライス ハーパーだ。高校では投手として160キロ弱の速球を投げ、大学ではキャッチャーを務めた。そしてとてつもない打撃記録を引っさげたプロ1年目の今年、ケングリフィーJrとAロドリゲスを超える逸材として注目を浴びている。そして何よりも凄いのは、この選手を最初から打者で使うメジャーリーグの層の厚さだ。

この20年、米国スポーツのトップに君臨したのはマイケルジョーダンとタイガーウッズ。その下にフットボールと野球のトップ選手がいた。ホッケー やテニスは更にその下だった。もしかしたら、ブライス ハーパーは次のトップかもしれない。ダルビッシュよ、米国は大きいぞ・・。

2012年5月1日火曜日

親衛隊政権の総決算 (マネー原理プロから)


野田首相がオバマ大統領と会った。個人的に野田さんはよくやっていると思う。だが、最早日本の首相に何かを期待するという行為は間違っているのだろう。それは今の大統領を観ても感じる。
添付の写真は、週末、オバマの選挙資金集めパーテイーに駆け付けたクリントンとオバマをとらえたモノ。この一瞬の表情で記事の本質を感じさせるNYTIMSの写真力はいつもながらさすが。


金融危機克服、保険法案成立 軍事的にもカダフィーを倒しビンラデインを仕留めた。このようにオバマ政権は実績は十分。

だが大統領が一番したかった事、つまりそれは、4年前にヒラリーではなく、オバマを支持した若者への約束を果たしていない事は、彼自身が一番知っている。

国務長官(ヒラリー)首席補佐官(ラムマニュエル)NEA長官 (サマーズ)財務長官(ガイトナー)国防長官(パネッタ)・・。

更に、日本ではあまり知られていないが、映画「リカウント」でケビンスぺーシーが演じた主人公で、クリントンーゴアラインの懐刀だったロン クラインを副大統領の首席補佐官に据えたオバマ政権は、本当にオバマ政権だったのか

個人的にはオバマ本人は、もう少し日本をリスペクトするつもりがあったと考えている。それは来日時の天皇陛下への挨拶にも出ていた。だがあの翌日、天皇に下げた頭が低すぎると早速批判があった。
オバマ大統領と野田首相の二人の後ろには、クリントン親衛隊と、野田首相付き親米スピーチスクリプターの影がうっすらと見えた気がする・・。