2012年7月13日金曜日

ダストボウル 怒りの葡萄(真マネー原理プロから)





日本の雨がアメリカに欲しい・・。最近周りの穀物の専門家からは、1933年から米国中西部を襲った大砂塵(DUST BOWL)の話が聞こえてくる。この世紀の大災害は、リンカーンが施行した移住促進法で、多くの開拓民が中西部に移民したことに起因する。

本来は乾燥地帯。牧草程度しか生えなかったこの地域を穀倉地帯に変えようとした試みで、草がカバーしていた土地は耕されて土がむき出しになった。そこを何十年も連作したらどうなるか。

パサパサになった表面は、干ばつと中西部の強風で大砂塵を生み出した。これによりテキサスからオクラホマの農民は壊滅的な打撃を受け、その多くが経済難民になった・・。

歴史は繰り返すというが、行き過ぎた金融緩和と1920年代の共和党政権下のモラル低下が大恐慌の引き金を引いたとして、実は都会よりも地方でもっと悲惨なことが起こった。

その反動として、戦後から起こった米国の富の再分配は(所得税90%)は、この大天災が大きく影響したといわれている。

そしてこのDUST BOWLがこの国に何を引き起こしたかは、スタインベックの「怒りの葡萄」が参考になる。経済難民となった農民が目指したカリフォルニアでは、資本家と銀行が彼らを餌食にした。

1940年、あのジョンフォードが、ジョンウエインではなく、ヘンリーフォンダと組んで撮ったこの映画は、今見てもアメリカ映画では珍しいイタリアンプロレタリアートの香りがする。

リーマンショックから4年、大統領選を控え、天変地異の危険性と今の社会現象を考える上で、現代の金融マンにも必見だろう・・。

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