2012年7月2日月曜日

エコノミスト誌のいいなり?

ユーロ2012が終わりいよいよロンドン五輪。今週のエコノミスト誌は「イギリスという国は凋落したが、ロンドンという街は価値を持ち続けている。ニューヨークとロンドンの外国人比率は粗同じだが、ニューヨークの移民は雑居ビルに住み、アメリカでの成功を夢みているのに対し、ロンドンには金を持った優秀な人間が世界を相手にビジネスをするために集まる・・」としている。

ロンドンは専門ではないが、米国に住む日本人から見ても同感。そしてふと浮かんだのは野田首相だった。週末、読売のWEBは、野田首相がここまで増税にこだわるのは、エコノミスト誌が「日本化」を取り上げたことがきっかけだと紹介した。その予感はあった。そこでそのエコノミスト誌の表紙を再び添付した。この号が出た2011年の7月、野田さんは財務大臣だった。

ずばり。金融市場から日本を攻める場合、まじめな野田さんはヘッジファンドにはありがたい。むしろ時より乱暴な一面を見せる安住大臣は嫌だろう。ただ野田さんの考えは正論。達成できたらすごい。だが実際は殆ど場合で正論では動かない。駆け引き。そのいい例が先週は欧州であった。

先週は借金の大きいイタリアが、その借金を人質にとり、ドイツの正論を押し切った。裏にはメルケルが欧州首脳の中で、“政治家ではない”モンティだけは信用していた話がある。(メルケルはモンテイが昔GEやマイクロソフトの米国による欧州支配を食い止めた行政能力を高く評価、今の彼女の経済補佐官には当時モンテイの部下だったドイツ人を採用・・。つまりドイツは老獪なマリオと野獣のマリオ(サッカー)に屈した・・ NYTIMES)

日本は英国からいろいろ学んだという意見があるが、個人的にその印象はない。日本はいまだ善人が正しい判断を下し、悪人は常に悪い事をするが前提だ。ではヘンリー8世をどうするのか。もし野田さんはエコノミスト誌に影響されたなら、その雑誌の国(ロンドン)を繁栄に導いたこの国王の非常識をどのように評価しているか聞いてみたい。

0 件のコメント: