そんななか、代替案も用意せず、プーチンに何かを期待するのもこれまた滑稽。頼みの米国は今回は韓国の日本海の固有名詞改正要求をやんわりかわしたが、このままでは韓国の強い思いが米国を動かすのも時間の問題だろう。
その米国は独立記念日を迎えた。そこで日本が米国に学ぶ事を期待し、ベンジャミンフランクリンの有名な「We must indeed all hang together, or, most assuredly, we shall all hang separately」の檄文を紹介する。
彼は八つ裂きにした蛇の風刺画に「JOIN OR DIE」のタイトルをつけて米国の独立運動を鼓舞した。そしてこの時ベンジャミンフランクリンはHangを逆の意味で使い分けている。
hang togetherは団結するであり、hang separatelyは敗北して一人一人が吊るされるの意味だ。まさにJOIN OR DIE。(訳:団結して本国に立ち向かわなければ、バラバラにされて吊るされるだろう)’
元来日本は団結は得意。だが今の日本では外に向く団結はサッカーと五輪。それは平和国家の日本の理想として、ではそうではない(平和第一ではない)世界の現実にはどう立ち向かうのか。
その答えが米国頼みしかないならオスプレイ配置に文句を言っても仕方ない。(自分は米軍沖縄駐留反対派。念のため)このままでは日本がどちらのHANGになるかはいうまでもない・・。
レター1 <官僚たちの夏、その2>
ドイツ最高裁が政治の合意を打ち消すかもしれないという。三権分立。もしそうなれば、今がどんな時代かがよくわかる。金融危機後、民主主義と資本主義(自由経済)の両輪は、中間層が消滅していく中で脱輪状態になるとずっといってきた。理由はその事例が戦前にあったからだ(ワイマール)。
人は何も決まらない中で疲弊することにいずれ耐えられなくなる。そうなると民主主義の代弁者の政治家は弱い。民主主義のシステムの中で十分にヒトラーは生まれた。つまり戦後に生まれた我々がラッキーだったのは、民主主義のシステムではなく、実は経済だった。ならば経済が疲弊していく今、その事を改めて感じるはずだ。ではそのときに人間は政治に何を望むのか。よく考えておかないとまた同じミスを犯すかもしれない・・
ただ今はその前段階として、どうやら日欧では官僚経験者が更に力を持ち始めている。先週の欧州会議で結果を出したのは、民意で選ばれた政治家ではないモンティの知略。そしてECBのドラギは、ガイトナーが今日のNYTIEMSで「彼以上の優秀な官僚はいない」と褒めちぎっている。米国はドラギにグリーンスパンのようになってもらいたいと考えている(個人の指導力発揮)。
ただドラギはグリーンスパンやトルシエのように、会議で先に自分の考えを言うことはせず、まずは周りに発言させ、最終的に自分の考えに近づける知略に長けている人らしい(NYTIEMS)。この手法はバーナンケと同じだが、ドラギの顔つきはバーナンケより肝が据わっている。
いずれにしても、選挙で選ばれる政治家が臆病になれば官僚的能力のある人が仕切るのは自然。ただ財務官僚の正論に大事な政治生命まで賭けしてしまった野田さんをみて少し残念。個人的にはあのキャラクターは好きだっただけに、政治生命をかけなければならない重要局面はもっと後に必ず来るという相場観がほしかった・・。
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