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2012年7月30日月曜日
綾を鍛えよ
ロンドン五輪は2日が終わり、ナデシコ比べ、盛り上がりに欠けた男子サッカーが躍進、一方金メダルが期待された個人種目はいまのところ惨敗だ。ただこれに違和感はない。日本人として北島の3連覇には期待したが、やはり12年も世界の頂点にいるのは難しい。むしろ実力のピークが過ぎても勝負はできると踏んでここまで調整した北島はさすがだ。一方で実力を発揮できなかったと報道される女子柔道。個人種目で直接相手と組み合う柔道は、圧倒的な差がないなら、平時の実力より「勝負の綾」を鍛えるのが、五輪の実力であることをまたも見せ付けられた。
では勝負の綾をどうやって鍛えるのか、この点日本の選手は不利だ。なぜなら平和の日本では4年に一度の五輪は盛り上がりすぎる。有望な選手への過剰なメディアのカバーが避けられない。そこで選手は悪態をつくわけにもいかず、まじめで若い選手ほど本番で雰囲気に呑まれるのだろう。まあコレも実力。ただ女子柔道はソレ以前に国内を過剰評価したつけを感じる。
一方アメリカの五輪報道で一番驚いたのは、400M個人メドレーでメダルを逃したフェルプスの報道が、金メダルを取ったロクテの数倍あったこと。当日夜の第一声は「アメリカのショック・・」で始まった。コレは日本人にはショック。なぜなら金メダルのロクテもアメリカ人だ。だがNBCのナイトリーニュースは、金メダルのロクテをたたえるより先に、スーパースターの時代が終焉しようとしている衝撃を優先した。
ここにこ米国の本質が出ている。そもそも普通の米国人は、自分が生きる小世界米国は、地球上の国際舞台を支配するのは当前と考えている。そこでは敢えて国威を証明する必要はなく、彼らにとっての最大のスポーツイベントはスーパーボールなどの国内イベント。そんな米国人が五輪で盛り上がるのは米国人スーパースターが活躍すること。つまり個人。これがとにかく金メダルが欲しい日本との最大の違いだろう。米国の五輪のスーパースターは過去2会はフェルプス、その前はマイケルジョンソンだった。
注目されない米国の集団競技はそれはそれで強い。一方でスーパースターはやはりスーパースターだ。ではその中間の日本のトップアスリートたちに日本はどんな「綾を鍛える場」を提供できるのだろう・・。
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