2012年7月21日土曜日

悲劇と奇跡の狭間


学生時代、シドニーの映画館で封切したばかりのランボー2を観た(85年)。その時だった。突然一番後ろ観客席の男が立ちがあり、おもちゃのマシンガンをぶっ放した。さすがに驚いた。日本ではありえない行儀の悪さに一瞬戸惑った。だが次の瞬間、一緒に盛り上がる観客を見て、ついに外国に来た嬉しさの方がこみ上げてきた・・。

コロラドの惨劇では、観客は最初封切日の出し物だと思ったという。今日の米国はこの話題で覆われた。オバマもロムニーも予定外の出来事に対して無難に立ち回っていた。


個人的にこのニュースで一番驚いたのは、70人以上が撃たれ、死者が12人で済んだこと。亡くなった方にとっては本当に悲劇。しかしその裏では59人が怪我で済んだのは驚くべき奇跡。これは銃社会米国の適応力なのか。そして米国はこのような事件の報道では被害者も加害者にも容赦しない。顔を隠すインタビューなどない。悲しみも怒りも顔を出して表現する。


一方チャンネルを換えて日本のニュースを観ると、大津での自殺に続き、別のいじめを取り上げていた。いろんな人がインタビューに答えていた。だが登場した親の殆どが顔を出していなかった。顔を出し堂々と批判できない社会からいじめが無くなることはないだろう。なぜならそれがいじめ社会の本質だからだ・・。


それにしても、添付した写真の女性ジェシカさんの悲劇は神の存在を疑うに足る。ジェシカさんは、6月トロントで起きた乱射事件(7人が死亡)でその場に居合わせて危うく難を逃れた彼女はこんな気持ちをツィっターに残している。


'I say all the time that every moment we have to live our life is a blessing,' she wrote. 'So often I have found myself taking it for granted. Every hug from a family member.'Every laugh we share with friends. Even the times of solitude are all blessings. Every second of every day is a gift. I know I truly understand how blessed I am for each second I am given.'

彼女はこんなすばらしいことに気づいた。なのになぜだろう。コロラドでMEDIAの仕事を始めた彼女は希望に満ちていた。だが今回銃弾は彼女の命を奪っていった・・

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