2008年11月19日水曜日

ビジネススクールの限界

BIG3救済の反対派の意見は、トヨタがハイブリットの開発に時間をかけていた時BIG3は間違った経営をしていた。だから潰れても仕方がない。むしろ潰すべきだとの意見に纏まっている。ただ議会が救済を承認するかどうかの判断基準は最早その会社の経営者の能力云々ではなく労働者である。これはオバマも選挙中に約束した。よって救済は不可避である。

しかし救済しても現経営陣の説明からは復活の見込を感じない。なぜならワゴナー氏(GMのCEO)はGMがトヨタに敗北したのは基本的な技術力の差ではなく、国が健康保険を負担する日本のトヨタと、労働組合による巨額な負のレガシーを抱えたGMとのコストの差であると言っているが、個人的な意見ではこれは完全に間違っている。

そしてワゴナー氏は本日の議会証言でも同様の証言をしていた。しかし一方でGMは本業の業績に関係なく、この10年間に年間10M(10億円)のロビー活動費を予算に計上している。当然今議会に救済を働きかけているロビイストへの支払も今年の予算に含まれているわけだが、私にはこの現実がGMはメーカーとしての品質競争を既に放棄していたとしか思えない。

10年で100M(100億円)をロビイストに払うなら、なぜ良い車を作る為にその金を使わなかったのか。やはり米国はマネーゲーム大国になってしまい、報酬を超えてモノづくりに情熱を感じる人は少ないのだろう。この事にはここ数年ビルゲイツがいつも警鐘を発していた。

MBAに行っていない自分には分からないが、恐らくこういう常識は米国の一流大学のMBAでは教えないのだろう。ただこの疑問がある限り個人的にGM車は買わない。いずれにしても、今の米国の課題は金融システムの再構築だけでなく、これまで世界の経営の模範とされたビジネススクールに代表されるマネジメントのあり方にも改善の余地はありそうである。

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