2008年11月14日金曜日

シカゴの暗雲、市況から

本来オヘア空港(シカゴの国際空港)から高速道路でダウンタウンへ下る途中に見えてくるシカゴの摩天楼にはスッキリとした美しさがある。其れはロングアイランドから眺めたマンハッタンの雑多な景色とも違う「建築の街」としてのシカゴ特有のシャープなコントラストである。しかし今日のシカゴのダウンタウン上空には見たこともない暗雲が立ち込めていた。そして心なしか街全体がなんとも言えない雰囲気に澱んでいた。まるで今の株式市場を映し出しているようだった。

ここまで株の雰囲気が澱んだのはなぜか。それは昨日のポールソン財務長官のスピーチが代弁している。彼は米国という国家が世界中を混乱に導いた責任を認めた。そして財務長官個人としても、数々の政策の場当たり的な変更を謝罪した。

もともと米国は単純な国家である。だからあのぺイリン女史が副大統領候補になりえたのだ。よって単純だった人々を束ねるはずの政権を含めた国家機能がブレるとどういう事が起こるか。米国が今のように統制力を失った醜態をさらすのは在米15年で初めての経験である。これでは株は上がらない。最早経済指標などどうでもよく、この澱んだ雰囲気をどう払拭するか。そこが全ての相場に影響するだろう。

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