2008年11月9日日曜日

メイドインUSA

今日のNYTIEMSの一面は下院議長のナンシーぺローシと対面しているBIG3(GM  フォード クライスラー )のトップたちの写真である。その写真から窺われる雰囲気は和やかで、とてもこの3人が倒産に直面した自動車会社の経営者とは思えない。むしろ営業利益が1兆円減ったとはいえ、真の余剰資金額ではもしかしたら欧米の金融機関が全部集まっても勝てないかもしれないトヨタの副社長の苦渋に満ちた決算発表での姿の方がよほど危機感に満ちていた。それもそうだ。この3人の経営者で生え抜きはGMのワゴナー氏一人。そしてその彼とて財務担当のアナリスト出身。またクライスラーとフォードCEO(経営者)はエンジニアではあるもののそれぞれHOMEDEPOT(住宅材デパート)とボーイングというの畑違いの出身だ。全員が油の匂いがする車作り現場とは程遠い印象である。(たとえば本田総一郎のような)

金融の仕事がらBIG3の凋落は金融市場と同時に常に見守ってきた。そしてこの3人に共通するのは金融市場がBIG3 の倒産の危機を叫んでいる時もどこかで他人事のような覚めた雰囲気を維持している事だった。業績が落ちぶれてからオーナーに請われて就任したフォードとクライスラーのCEOはともかく、なぜGM生え抜きのワゴナー氏からもそんな他人事のような覚めた雰囲気を感じるか。

想像するに、彼らがCEOとして責任を感じるのはビジネスの根幹の車の性能ではなく、株主に配当を払うバランスシートであるとの感覚がその様な冷めた雰囲気を醸し出しているのではないか。ならば国家による救済が必然となった今、彼らから写真のような笑みがこぼれるのも当然かもしれない。ただ個人的には経営者がバランスシートは気にしても自社の製品の性能に対して責任感をもたないメーカーの車は絶対に乗らないだろう。

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