2010年10月2日土曜日

バーベル現象とFEDの犠牲者 (顧客レターから)

更にお金がジャブジャブになると言う見込みで、9月は株も債券も買われた。著名なファンドマネージャーのコメントも火を付けたのだろう、結局は株と債券の両方が上がるバーベルトレードの復活である。そして、本日ニューヨーク連銀のダッドレー総裁は、この動きが加速する事は、米国として正しい方向であるとの立場を明確にした。まさに先のFOMCのステートメントにあった通りである。

ところで、バーベル現象は他にもある。ソレは米国という国家がバーベル化している事。金持ちと非金持ち。中間層が貧乏になり、社会がバーベル化してしまった。そんな中、嘗ての中間層も今多くがフードスタンプが頼りだ。だがこれ以上商品の値段が上がれば、フードスタンプだけでは厳しい。そして住宅市場に回復に見込みが立たない以上、彼等は仕事を通してのみ救われる。だがFEDは仕事を造りだせない。だからインフレを煽るというのか。社会がバーベル化しているにもかかわらず、それは本当に正しい金融政策なのか。

ご存知の様に、FEDはFFレートより高い金利を金融機関への準備預金に付けている。つまり自分が損をして金融機関を助けている。危機直後ならまだしも、巨額のボーナスが復活した今なぜこんな事を続けているのか。好意的に考えればまず金融機関を昔の水準まで儲けさす。その後金融機関からの貸出が伸びる事を期待していると言う事。だがこれ程まで政府の規制に逆らった金融機関が儲かる見込みのない貸し出しをするはずがない。ならばFEDは単純に危機の原因を造った過剰利益の追求やそれを正当化するWSの仲間と言う事になる。

下院議員のローンポールと彼等の支持者は昔からFEDの廃止を訴えている。話題のTEA PARTYの人々も、金融に詳しい人はロンポールと同じ立場だ。ロンポールは当選するだろうが、一方で東海岸から面白そうな話が入った。それは、ロンポールの対局に位置するバーニーフランクが苦戦?という情報である。バーニーは今のところ共和党の対抗馬に10%以上の差をつけている。だがその開きは縮小気味らしい。

今年一月、故ケネデイー上院議員の補欠選挙で悪夢を見た民主党。その時も一カ月前まで民主党候補者は17%のリードをしていた。バーニー陣営は慌てていないと言う事だが、先週はビルクリントンまでがバーニーの応援に駆け付けた。バーニーはFEDを頂点とする今の米国の金融システムの議会での守護神。落選まではないとしても、共和党が躍進すればFEDを取り巻く環境も激変する。

いずれにしても、今のFEDの政策は僅かに残っている国内の中間層を更にじり貧に追いこむ。そして、為替相場をみても明らかなように、もう一人の犠牲者は中間層国家の日本である。



0 件のコメント: