2010年11月18日木曜日

熱く語れ

昨日の日本のニュースでは管総理が答弁に立っていた。総理いわく、「現在日本は歴史的な分水嶺に立っている。ここはこの国の命運を掛けた決断が必要だ。」「完全に開かれた日本に向かい、貿易の自由化も達成しなければならない・・。」この間総理は1度目も目線を上げず、TV画面からも下書きをまる読みしているだけなのが明らかだった・・。

90年代の事でよく覚えているが、帰国した際に偶然国会答弁を見た。そこでは長銀問題の「瑕疵担保条項」で、米系ヘッジファンドの言いなりになった自民党政権に食らいついていた野党時代の管直人がいた。当時、ややこしい瑕疵担保問題の本質が判る議員が日本にいた事に素直に感動した。

だが時代は変わった。確かに日本は歴史的分水嶺に立っている。そして日本は命運を掛けた決断が必要だ。そこも激しく同意する。だが、それだけの決断を一国の総理が国民に訴えるなら、誰かの下書きを棒読みするのは止めてほしい。それがあの官直人なのは尚更寂しいではないか。

そもそも政府関係者は今世界がどうなろうとしているのかの状況判断が出来ているのか疑問だ。批判あっても外務省はそれなりの情報を持ち、専門的分析もしているだろう。だが肝心な最終決断は誰がするのか。そこは優秀な役人が相対的に苦手とする相場感である。

そして、両面があるTPPの議論はここではしないが、冷静にみて心の底から完全自由化を言う国は米国以外どこかがあるのか。どこも自分に有利な駆け引きを前提にしており、あれだけ米国に恩がある韓国でさえ米国が怒る事を承知で建前と実態を使い分け初めている。

いずれにしても、日本が全てを理解した上で米国に同調するならそれもよし。だがそれは総理が棒読みするのではなく、世界情勢に疎い平均的日本人も今の世界を説明した上で、坂本龍馬の様に熱く語るべきだろう。





0 件のコメント: