2012年3月14日水曜日

3月のハエ (マネー原理プロから)


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 昨日のシカゴの気温は20度を超えた。今年の冬、五大湖に張ったの氷の面積は例年の5%だった。

この80年ぶりの暖冬おかげで、週末は裏のトマト畑の土を耕すことにした。すると3月だと言うのにハエがいた。聞こえてきたラジオでは、この暖冬せいで、今年は虫などを媒介にするはやり病が大流行するかもしれないと、専門家が警告を発しているという。

自然の営みは実に奥深い。暖冬を喜べば、それは災いの前兆だったという事もある。逆に、大きな災害があり、その不幸を嘆けいた時、平時には気づかない大切な発見をすることもある。

人間社会にどれだけイージーマネーが注入されても、この感性を失いたくないものだ。理由は単純。薬で五感を失った時、生物は真のリスクを感じとる機能を失う・・。

ところで、添付はキリスト教福音派の大物パットロバートソン氏である。大統領選では福音派はサントラム氏を応援しているらしい。(サントラム氏はカトリック)

その昔、同じ「プロテスタント」がこの国に禁酒法を生んだように、福音派はこの国で最もまじめな人々というイメージ。ところが、先日ロバートソン氏は「この国はマリファナとの戦いに負けた。ならばマリファナは酒と同じ扱いにすべき・・」という衝撃的な発言をした・・・。

そもそもそも酒や麻薬は感覚を麻痺させるもの、米国の五感は大丈夫だろうか。そんな心配をよそに、今日も米国の株は堅調だった。

2009年の3月9日に米国の株はリーマンショック後の最安値を付けた。そこから米株は2倍になった。日経平均も1万の大台を回復したらしいが、大震災があったとはいえ、米株に比べその歩みはカメに等しい。

ただこの差は米国人が日本人より優れているからではない。強いて言えば、米国は国家として目的と手段が常に明確なのだ。

国家存亡の危機なら米国はなんでもする。リーマンショックの後、この国は経済が最大の課題になった。過去からすれば常軌を逸したFEDの行動は、その目的のためだった。

そういえば先週は大震災の一周忌の陰に隠れたが、3月9日は東京大空襲で最大の被害があった日だという。 

東京、広島 長崎・・、日本より人命を尊重したはず米国は、戦争を早く終結するという目的のために手段を選ばなかった。結果、米国の目的は達成され、不思議な事に、その時に日本人の中にもほっとした人が大勢いたという。

一方あまり知られていないが、1942年、日本は真珠湾攻撃のあと、オレゴン州まで爆撃機を飛ばすことに成功している。

米国はこの失態を今も反省材料にしているが、その時の攻撃目標は、住宅地ではなく森林だった。そこに爆弾を落とし森林火災を起こせば、米国民に嫌戦機運が高まると期待したらしい。

結果は全ておいて殆ど成果なし(米国民の気持ちと実際の火災)。2発目は不発で、残骸は米軍に徹底的に調査された。

爆撃で市民を殺さなかった事に対し、オレゴン州は後にその日本兵に感謝状を贈った。それはそうだろう。だが、真珠湾の不意打ちで3000人の海兵隊を殺しながら、この攻撃は戦争の結果に対してどんな意味があったのだろうか。

戦争には負けたが、この日本の行動がいつか報われる日を願う。一方目的と手段を直結するためには、法律も、麻薬も、悪人も、なんでも許されるこの米国がこの後どうなるか。中間層がいなくなり、判断の軸がなくなった今こそそのリスクが問われる時が来ている・・。