2012年3月21日水曜日

スポーツミーハー学






ある意味でアメリカの凄さを感じたのが、フットボールのデンバーブロンコス。本日デンバーは、フリーエージェントとなったペイトンマニングを5年契約90ミリオンで獲得した。では一体この話の何が凄いのか。

まず今年のスーパーボールは、ペイトンマニングの弟イーライがQBのNYジャイアンツが勝った。だが昨年NFLを盛り上げたのは、マニング兄弟でもなければライバルのトムブレーディー(ペイトリオッツQB)でもない。ファンを熱くさせたのはデンバーの若きQBティムティーボーだった。

ティーボーはフロリダ大でハイズマン賞を獲得しNFL入りすると、新人の2010年はプレーに粗さが目立ちレギュラーにはなれなかったものの、昨年途中からレギュラーに定着、4Qに負けている試合を逆転する試合を次々に演出し(シカゴベアーズも残り1分で10点のリードをひっくり返されて負けた)プレーオフ進出の立役者になった。

この活躍で一気に全米のシンデレラボーイになったティーボーは、オフにはあのテイラースイフトと噂が立つほど商品として価値を持った。ところが、地元のファンでなくとも、誰の目にも来シーズンのNFLの目玉の一人であるティーボーがいるデンバーがマニングを獲得したのだ。驚いた。

彼がブレーデイーと並ぶ現役最高のQBであることに異論はない。だが36歳のマニングと23歳のシンデレラボーイ。これでティーボーが放出されることは間違いなく、デンバーのファンはこの決断をどう思うだろうか。凄いとしたのは、ファンの批判やリスクを承知でマニングを獲得したチームとしてのデンバーの判断である。

どこのスポーツチームにもチームの顔がいる。だからファンも集まる。だがアメフトのQBという職業は特別なのかもしれない。「未来の顔」より、実績と経験の価値が重視された。ここは日本とは対照的だ。
最近の日本のサッカーでは若い選手ばかりが話題。レアル相手にいい仕事をしていた本田をスポーツニュースは無視した。そして実績重視のマネジメントを徹底している代表がヤンキースだ。

長い低迷から90年代後半にヤンキースは復活したが、あのチームはこの哲学が際立っている。実績の価値とミーハー現象・・マネーマネジメントが苦手な日本の庶民にも通じるテーマだろう。