ニコラス ウイントンさんは、戦前、ロンドンで、普通に株屋をしていた。
ヒトラーの勢いが増しユダヤ人に暗雲が覆った頃、彼は夏休みを利用しチェコに行った。
チェコでは行き場を失った大勢のユダヤ人たちが困っていた。
ウイントンさんは、とりあえず、数百人の子供たちをロンドンに送る組織を作った。
受け入れを期待したアメリカは冷たかった。(その理由は、ここで何度も紹介している)
頼りは英国だけ。だが自分はただのストックブロカー。其処で彼は考えた。
まず自分を公的な難民救済機関のトップだと偽った。
次に、子供たちをロンドンに送るための公文書を偽造した。
このあたりは、さすがストックブロカーだ。
そして、子供たちがロンドン行きの列車に乗った翌日、第二次世界大戦が勃発した・・。
チェコに取り残された大人たちには残酷な運命が待っていた。
ヒトラーも、スターリンも、ユダヤ人を大勢殺した。其処は同じ・・
戦後、50年が経っても、ウイントンさんは自分がしたことを語らなかった。
意図して隠したわけではないという。
自分では、自慢するようなことをしたと思っていなかったという・・。
だが、誰かが聞きつけた。
彼の話を聞いたエリザベス女王は、ウイントンさんにナイトの称号を与えた。
彼の話を聞いたエリザベス女王は、ウイントンさんにナイトの称号を与えた。
。
株の仕事をしてる人が、ナイトの称号を貰うのは大変だと思う。
株の仕事をしてる人が、ナイトの称号を貰うのは大変だと思う。
昔の公文書偽造を咎めなかったエリザベス女王も粋だが、英国のテレビ局も粋だ。
ウイントンさんを無関係のイベントに招待し、内緒でその時の子供達を周りに座らせた。
大人になった彼らに突然囲まれ、感謝の嵐に戸惑うウイントンさん・・・。
今の日本でこんな粋な演出は、池波正太郎の世界でしか記憶がない・・。
最後に、100歳を超えたウイントンさんは言った。
「 昔のことより、未来が大切です・・。 大人にはその責任があります・・。 」
時には善と悪も使い分ける・・。
良い証券マンとは、その時々で何が一番大切かを知っていることだと思う・・
0 件のコメント:
コメントを投稿