2014年4月3日木曜日

特別号 真の流動性 懐かしい雇用統計 (顧客向けレターから)

https://screen.yahoo.com/breakout-hfts-e-brokers-pit-164608850.html



ゴールドマンは、2000年に6000億で買収したNYSEのフロアーマーケットメーク会社 Spear Leeds kellogeを30億円で売却するという。

既にマーケットメークはHFT(高速回転取引)の世界。GS自身もその会社を持っている.

そんななか、EQUTYではBATS, ETFと債券と商品先物系では弊社(KCG)のシェアは、旧来の取引所を圧倒する。

結果、米株のNYSEのシェアは2000年の70%から現在は12%へ・・。

この間多くの伝統的取引所は、旧来メンバーシップ制から株式会社へ形態を変えた。そしてコアのマネジメントは、メンバーから外部の経営の専門家へ変わった。

そこで株式会社として利益を出すために各取引所が取り組んだのが情報データの中卸業務。
ここがHFTと直結している。

HFTは流動性と情報料を取引所に提供、立場では上だ。だから、どれだけHFTが批判されてもSECはなかなかてを出せなかった。

2008年から2011年まで、社員一人当たりの収益がWSではNO1だったGSを圧倒したGETCO。(KNIGHTと合併。現在のKCG) 

しかし昨年はHFT全体をみても、収益はピークの7ビリオンから、1ビリオンまで下落した。

つまり、これだけ市場を振り回し、世間から批判されても、実はHFTも儲かっていない・・。

そして、最大のリスクは、真の意味では彼らは流動性の提供者ではないこと。

なぜなら、いざと言う時、HFTには買い向かう、売り向かう使命がないからだ。この使命は長年NYSEではスペシャリスト、シカゴでローカルズがになっていた。

90年代半ば、まだアメリカが成長していた時、雇用統計のノンファームが60万人増になった日のことは今も鮮明な記憶。

発表直後、NYの邦銀トレーデイングデスクから入ったTボンド先物の売り100枚。(想定元本10億)

その瞬間、既にTボンドは1フルポイント以上も下がっていたのはわかったが、(先物100の1フルポイントは10万ドル)どこに買いのビットがあるのは全くわからなかった。

ハンドシグナルで執行。いったいいくらで売れたのか、怒鳴り続ける顧客。でもピットブロカーさえわからない。売れていることだけを確認するのがやっとだった。(こんなことは当時は日常茶飯事。 映画 大逆転のラストはまさに真実。)

しばらくしてやっと返ってきた伝票を見ると、発表直前の値段からから50Tick下で売れていた。(15万ドル相当)

買い向かってくれたのはあの伝説のトム ボールドウィン。

ソレがわかった時、既にTボンド先物は3フルポイントストップ安だった。そして、数万枚の売り注文がPending状態だった。(当時は3フルポイントがストップ安)

顧客は大喜びだった・・。

スペシャリストとローカルズが消滅し、市場のすべてが電子化とinstitutionalized  された後、真の流動性は、誰が提供するのだろう・・


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