2014年4月30日水曜日

オリジナルの強さと守るべき秘法





ヤンキースの田中を特集する米国。日曜日はLA戦をESPNが中継した。その際事前のインタビューで、自分の持ち球7種類の握りをあっけらかんと披露した田中・・。

唖然とした。彼はマウンド上で頭がいいピッチャーだと思う。何をするにしてもこれが基本。

恐らく、最初は不安だったなかで勝ち星が先行し、さらにメディアに持ち上げられて、サービス心が出てしまったのだろうか。或いは「他人にはまね出来ない」という自信と読みがあったのか。

握りなど秘密ではないかもしれないが、しゃべって得をすることはない。むしろ今は田中は頭がいいと思っているメジャーのバッターに、田中の精神的な反応を先読みされるリスクが高まる・・。

いずれにしても、メジャーではありえない手の内の披露。早速球団から注意されたのだろう、昨日のNYタイムスでは、当番について聞かれたコメントで「調子がよくなかった理由は判っている。でもソレは言わない・・」とかわした。

http://www.nytimes.com/2014/04/28/sports/baseball/pitch-bounces-yankees-way-allowing-the-run-that-beats-the-angels.html?ref=todayspaper&_r=1

田中も、一つ一つアメリカを学んでいる。

では日本はどうか。その材料に、CNBCの25周年を記念したイベントから考えてみた。

まずイベントの大々的な見出し。

iin 1989, when CNBC launched, more than half of the 20 biggest companies in the world ranked by market value were based in Japan, versus less than a third in the United States. The U.S. still boasted the largest economy on earth, but many Americans were telling their children to learn Japanese so that they could speak to their expected new bosses    In autos, steel, banking, brokerage, electronics and elsewhere, Japanese companies were on the march, seemingly poised to outcompete those in the rest of the world. A decade later, all that was a distant nightmare to Americans. Only two of the world’s top 20 companies were based in Japan, and 14 were in the U.S.   Today, Japan is recovering from a generation of limp growth, while American creativity and entrepreneurship have restored U.S. leadership in a number of fields, particularly the crucial domain of digital technology and its applications. China, not Japan, is the leading rival, and coming up fast.  That is just one illustration of how CNBC’s first 25 years have encompassed a wild ride for the global economy and the companies and people engaged in it.


「当時世界の株式市場を圧倒した東京市場。世界の時価総額トップ20には日本の会社が半分以上。アメリカのGDPは優にずっと界最大だったが、トップ20に入ったアメリカの会社は1/3以下。ところが今はトップ20に入る日本の会社は2社。一方アメリカは14社。・・・・日本は長いデフレから這い上がろうとしているとはいえ、既にアメリカの敵は中国・・」


この文面からは、CNBCが始まった25年前は、戦争で勝ち、占領したはずの日本に、逆に経済では占領されかかった当時のアメリカの当惑がうかがわれる。

ここを基点に、アメリカは冷戦勝利による規制や閉塞感から開放と、膨大なキャピタルインフローをベースに、技術やイノベーションの爆発があった。ソレをリポートしてきたのがCNBC。

技術だけでなく、マネジメントの改革を断行したGEのジャックウェルチを、最初の敗北から占領までを指揮したマッカーサーに見立てるのは笑ってしまうが、CNBCが選んだこの25年間の世界経済の立役者のリストが以下だ。


イベントでは、このリストを最終的に25人まで絞り込むという。

恐らく技術ではジョブズかビルゲイツ。マネジメントでは前述のジャックウエルチとしても、金融では圧倒的にSワイルだと思う。

いずれにしても、日本はずいぶんと馬鹿にされたが、CNBCに踊らされる必要はないと思う。

確かに25年前はバブルだった。日本はそれが冷戦の恩恵によるところが大きかったことを、その後の米政権から思い知らされた。

ただこれほどの凋落があったわりには、日本人は日本で何とか普通に暮らしてきた。これはある意味凄い。見方を変えれば、日本は変化に対応した証拠。

結果、デフレマインドは限界まで来た。だがこの対応力があれば、状況が変わればまた変化するだろう。ただその手段は、ここでのCNBCによる挑発に感化されることではないと思う。

日本はまず国土が今の場所にあり、そこに住んでいた人とその子孫が造った国。アメリカとは国家契約説が違う。(判りやすいのはルソーとロックの違い)

もっと言えば、日本はどうしても国家や組織が主で、民や個は従。だがアメリカはあくまでも国民が主。だから力のある国民、お金のある国民は、どんどんアメリカを造りかえようとする。

その結果、建国の精神は消えるとしても、それは建国の父が敷いた路線でもある。ただそのアメリカ製の国家のエンジンを、日本の構造の中心に据えるのはどうだろう。

世界が認める日本の優れた点は、日本で生まれた日本人でなければできないことがほとんどだ。やはり最後は合わない・・

経済対策も、緊急手段としてのアベノミクスが終わったら、日本の良い面をベースに独自の戦略を練るのが正しいと思う。つまりアメリカのマネから、オリジナルの強さで復活すること・・

ただ問題は未来像を自分で考えられるかどうか。其処をずっとアメリカに頼ってきたので、アメリカの承認なしで行動するには勇気がいる。

逆にアメリカは日本の秘法を利用したい。その手段の一つがTPPだ (アメリカが自動車や農産物に拘るのは、本当狙いを隠すカモフラージュ・・)

田中もアメリカを一つ一つ学んでいるが、この国の怖さ知るのはもう少し先。(昨日ダルビッシュは完全にパターンを読まれていた)日本も油断せず、アメリカがいつも変化する国であることを学びながら、勇気を持って、オリジナルの強さで復活することを期待したいところ・・。


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