2008年9月9日火曜日

<今日の視点>アメフトの魅力と米国の魅力

今週からいよいよNFLが始まった。実は私はアメフトを在米期間の最初の10年では殆ど見なかった。なぜなら93年にシカゴに着任すると、そこはあのマイケルジョーダン率いるブルズの全盛時代。自分自身バスケットボールをやっていた事もあり、弱かったシカゴベアーズに興味が沸かなかった。ただ理由はそれだけではない。ラグビーやサッカーと比べ、アメフトのルールの複雑さや直ぐにプレイが途切る展開がどうしても面白いとは思えなかった。しかし今は違う。

今アメフトをみると、米国はよくここまで面白いスポーツを開発したという素直な気持ちと、混沌とした時代、衰退して行く米国でも、どこかで再び建国の父達が打ち立てた米国人らしさをいつか取り戻すのではないかという期待感をこのスポーツは一番感じさせてくれる。その理由は単純だ。ラグビーやサッカーでは試合結果は多分に審判に左右される。しかしアメフトはその「誤り」を極力無くす事を他のスポーツに先駆けて取り組んできた。同じ米国スポーツでもバスケットや野球が遅れた事に比べNFLは徹底していた。審判の判定に不服なら監督は「チャンレンジ」が許され、VIDEOで確認される問題のシーンは観客やTV視聴者にも平等に視聴できる点も非常に民主的なプロセスだ。

非常に単純だが、あくまでも正しい真実を追いかけようとするこの米国人の文化は最近の日常の中では埋もれている。そして単純が故に昨今は政治経済の舵取りは右や左への大揺れを繰り返している。ただこの姿勢が何処かに反映されている限り、米国の魅力は何処かで生きていると感じる。それが私がアメフトから感じる一番の魅力である。

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