2008年9月16日火曜日

<今日の視点>敗戦の法則の宿命

今月の文芸春秋には面面と終戦時の指導者たちの失敗の分析がのっている。所変わって米国。ここもWS 経営者の失敗の分析で忙しい。ともに今更何を言っても遅いのだが、各論終始の専門家の分析を超え、私には歴史の磁力がそれぞれの結末を導いたようにしか思えない。いずれにしてもこの金融崩壊は私の知る限り米国の近代史で初めての敗北である。米国はベトナム戦争というイデオロギーでの局地戦は勝てなかったが、最終的にソ連を崩壊させた事で米国の大義は勝利した。よってニクソンによるドルショックを基点にレーガン以降米国が標榜した市場原理がここに敗北したのは米国史にとっての敗北である。

ところでグリーンスパンは週末の番組で今回の金融危機を「100年に一回あるかないか」と表現した。だが直後に景気についての質問で「リッセション」への可能性は5割以上との不可思議なコメントもしている。これはグリーンスパンがおかしいのではなく、国民の代表としての聞き手が「100年に一回」の出来事の最中に未だに「リセッションか否」かの質問をしなければならない程に米国人の感覚は退化してしまった事を表す。これではグリーンスパンに答えの選択はない。その点日本人はバブル崩壊の苦しみを十分経験した。従って冬への準備は米国より出来ている。しかし我々にも退化してしまった部分がある。ソレは昨今のNEWSを見る限り国民の政治を見る眼力が退化した様に思える。ただこれもしかたない。日本は経済では苦難をを経験したが、日本の戦後政治は本当の苦難を経験しただろうか。そんな中で文言春秋の分析とWSの失敗をみて個人的に発見した法則がある。WSに関しては以前サブプライムに関してAIGとメリルそしてCITIの失敗の共通点を述べた。(5/18 老人の遺産参照)では日本がこれからするであろう失敗の法則は何だろうか。


明治維新は世界史上の奇跡である事は世界が認めている。そしてあの敗戦は軍部台頭を止められなかった事実を含め、明治維新の主役の2世並びに3世が昭和天皇の周りで殆ど意味を成さなかった事も一因ではないか。そして戦後の復興も世界ではまた奇跡と言われた。しかし今新聞を賑わしている日本の政治家の大半はその時代のツワモノの2世か3世が大半ではないか。これはまさに同じパターン。「彼ら」が意味をなさなかった事は失敗の後で始めて認識される。日本人の政治への眼力が退化した今、この法則は今回も起こる可能性を感じる。ただこれも日本の宿命だろう・・。

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