2008年12月16日火曜日

フリードマンからケインズ回帰、そしてマルクスへ

そう言えば数年前に出版されたプレストウィッツ氏の「東西逆転」では、苦境に落ちた米国が国境を接するカナダとメキシコ、更には太平洋を挟んだ日本を巻き込んで新しい経済同盟圏の枠組みを模索するシナリオがあった。先週、一部で言われたカナダがBIG3救済に協力するような話はこのプレストウィッツの政策を彷彿させる。 ところで、元々共和党政権は「カナダの資源」と「メキシコの労働力」と「日本の金」と「中国の市場」を必要としていた。4カ国は当然その事を承知していたはずだが、政権が民主党になった以上今後はまずは米国の出方を探らざるを得ない。そんな中では今日のWSJには米国債バブルの記事がある(米国債は実力以上に買われすぎ)。 これまでも米国債のバブルは言われてきた。だが実際にはここまで金利が低下した。そうだ。世界の逃避資金が米国債の他に行き場がなかったからだ。ただ世界各国は自国の政策においてケインズに回帰し始めた。結果金利水準が低すぎる米国債に投資する余裕がなくなってくるのは自明だろう。 いずれにしても、世界はフリードマンから再びケインズに戻ろうとしている。しかしそのケインズが働かないと、今度はいよいよマルクスが登場する番だろう。

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