2008年12月30日火曜日

年末、市況模様


12月に入った直後から年末年始からの世界情勢の変化を危惧する話が聞かれるようになった。時勢がらオバマ就任に合わせてのテロをイメージしていたが、まずは中東の古典的材料が復活した。ただ考えてみれば停戦協定が切れる期日を考慮すれば、今の閉塞感を打開する上でも再び中東が材料になる事は必然だったのかもしれない。

それにしても1日の攻撃としてはガザ地区の死者数はおびただしい。この死者の数だけで今後の展開をイメージすると空恐ろしいのも事実だ。だがその前に中東問題の基本をお浚いすると、まずパレスチナと一口にいってもガザはハマス、一方西岸地区はファタの勢力下である。過去10年はガザ地区が騒がしいく、最近はパレスチナ問題=ガザ地区と勘違いしている人が多いらしい。だがパレスチナの穏健中道はファタの下西岸地区でイスラエルと共存している。よって個人的判断基準はこの古典が70年代までのような世界の災いになってしまうかどうかは実はガザではなく、西岸地区の今後次第である。逆にいえば、戦闘が西岸地区まで波及しないかぎりこの問題は恐らくは誰かが意図している策略の範疇に収まる。そして相場もその連中の意図している方向に動くだろう。ただこれは危険なゲームの始まりである事は間違い。リスクは事態がそのコントロール下を逸脱していくことである。

そんな中で今の市場はホリデーシーズンと相まってまだトランス状態(薬の効果でぼうっとしている状態)である。この麻酔が覚めてまずどちらにブレるのか、今のところ明確なシグナルは出ていない。だがシナリオ通りだとすると世界情勢は悪化の様相になるだろう。下手をするとガザ(ハマス)からそのままイラン、更にはオバマ政権が一気にパキスタン/アフガニスタンの魔境地帯にまで巻き込まれるかもしれない。するとしばらくはドルと商品は下がり切らず、株はリ(イン)フレ期待からの援護射撃と企業と消費の悪材料が交錯する展開になるだろう。一方金利はFF(政策金利)の限界が近い以上は市場として主役になりにくいはずだ。せいぜい為替の受け皿程度の役割ではないか。

その今後の相場の主戦場となるべき為替市場が行き過ぎの反動で固定?に戻るような事態になれば、本当に金融機関によるマネーゲームの時代は一旦終わってしまうだろう。この市況の読者にとってはその時が実は本当の恐怖である・・。

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