2009年4月3日金曜日

未体験ゾーン

G20は何もかも予定通りだった。そして主催国首相のブラウンではなく、オバマが記者を集めた締めくくりの演壇に立った。そこで彼はいつも様に流眺なスピーチを披露。インド、中国、豪州の記者による飛び入り質問もジョークを交えながら無難にこなしていた。そしてこの演出は結局世界はまだ米国を中心に回っている事を再確認させる意味で効果があった。しかしそこで「世界経済は今日から回復に向かう」と宣言したオバマ発言とは裏腹に世界は全く未経験の世界に突入した。では何が未体験なのか。

それは、ロンドンの街を埋め尽くしたデモが示す様に、「完全なる社会主義体制」を宣言しない限りは必ず発生する救済上の不公平感との軋轢である。特にこの軋轢は既に社会主義政策を行いながら表面上それを認める事が出来ない矛盾を抱える米国でますます過激になるだろう。そんな中で一昨日のNYTIMESの社説に「オバマ政権の救済は社会主義よりも始末が悪い」との論文が載った。筆者のノーベル賞学者の趣旨は、直近の官民共同の不良債権買い取りの仕組みを含め、市場はWIN/ WINと評価する一方でここまでの一連の救済案は実際はWIN/WIN/LOSE(投資家/株主/納税者)であると糾弾する内容となっている。

だがそもそもどの敗戦処理例をみても、その復興過程で完全な平等などあり得ない。そしてこの政権が始まる際に視点では、ブッシュ政権はハリバートン等の民間の特定企業に便宜を図ったが、大統領が誰であっても民主党政権下では民間(企業)が国家そのもの(納税者)を食い物にする可能性が高いとした。ここまでの展開はその通りになっている。ただここからが未体験だ。AIG然り、現代社会においては緊急処置として行った処遇はネットなどの新しいMEDIAの影響で後から暴露される時代になった。こうなるとその事実関係はともかく、事が進まない可能性がある。政権が中央突破を図ろうにもポピュリズムに踊らさた議員による抵抗が予想されるのだ。

今後はこの様な筋書きが待っている。ではそんな中でも経済は順当に回復するだろうか。そもそも混乱期が大チャンスであった代表例は三菱。三井と住友が江戸時代から長い時間を経て財閥になったのに対し三菱は混乱に乗じて一気に躍り出たのは有名だ。特に藩札の買占め、また西南の役に慌てた新政権が三菱に物資の輸送で巨万の利益を落とした逸話は堺屋太一氏の小説やウイキディアに詳しく書かれている。そして三菱は日銀総裁を立て続けに出してその後の日本を牛耳っていくが、三菱の利益が日本の国益にもかなっていた事は今は誰も否定できない。しかしこの様な混乱期の利益独占が仮に今起きたらどうか。恐らく反資本主義テロの標的になるなるだろう



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